高級タオル店のZoomストア 新規客開拓に効果、触感の伝え方が鍵(画像)

タオルメーカーIKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、約2カ月間、直営全4店を休業した。苦肉の策で始めたZoomによる接客販売が新規客の獲得に寄与。恒例の工場見学もZoomで配信するなど、リアル店舗とオンライン接客の「二刀流」に力を入れる。池内計司代表の勝算とは?

池内計司(いけうち・けいし)氏
IKEUCHI ORGANIC 代表
父親が1953年に創業した池内タオルを83年に引き継ぎ、2代目社長に。2014年社名を変更し、16年から現職。「最大限の安全と最小限の環境負荷」というコンセプトを掲げ、厳しい基準をクリアしたオーガニックコットン100%の自社ブランドのタオルを製造・販売している

Zoomストアはリアル店舗に行くよりもハードルが低い

 タオルメーカーのIKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック、愛媛県今治市)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために約2カ月間、直営店(今治、東京、京都、福岡)を全店休業していた。そんな中、2020年4月25日から京都店でZoomを使った接客販売を開始。緊急事態宣言の解除後、直営店は再開することができたが、オンライン接客は「Zoomストア」と称して継続していくという。その理由と、これからのリアル店舗の位置付けについて、同社の池内計司代表に聞いた。

前回(第5回)はこちら

イケウチオーガニックでは、4月25日からオンライン会議システムZoomによる対面販売に取り組みました。現在も継続されていますが、これまでの利用者数と、どのような方々が利用されているのか教えてください。

まず、これまで僕らの「Zoomストア」を利用してくださった方は約60組(6月9日時点)。そのうちの8割が、新規のお客様でした。「イケウチオーガニックのことは知っているけれど、タオルは買ったことがない」という方々で、リアル店舗に来られる方ともWebストアを利用する方とも違うような気がしています。新たな客層を発掘できる可能性があると思い、直営店が再開した後も続けてみることにしました。

Zoomストアの利用者はリピーターが中心だと思っていました。

新規のお客様の利用が多いことに、僕らも驚いています。もともとイケウチのお客様は、リピーターが多いことが特徴の1つです。Zoomストアも、リアル店舗が休業して「リピーターさんと会えなくなって寂しいね」という話から始まりました。だから、Zoomストアの利用者も、てっきりリピーターが中心だろうと思っていたんです。

 確かにZoomストアを開始した当初は、リピーターさんが予約してくれたのですが、実際には最初の5~6人だけ。それ以降は、ほぼ新規のお客様という状況なんです。ここ1カ月ほどは新規のお客様としか会っていないと思います。

IKEUCHI ORGANIC京都店の益田晴子店長が「Zoomストア」で接客している様子
IKEUCHI ORGANIC京都店の益田晴子店長が「Zoomストア」で接客している様子
IKEUCHI ORGANICは「最大限の安全と最小限の環境負荷でテキスタイルをつくる」ことを目指している。素材のコットンはすべてオーガニックコットン
IKEUCHI ORGANICは「最大限の安全と最小限の環境負荷でテキスタイルをつくる」ことを目指している。素材のコットンはすべてオーガニックコットン

Zoomストアを利用する新規客の特徴などはありますか。

イケウチを知った理由を聞くと、ほとんどがTwitterやInstagramなどのSNSがきっかけでした。イケウチに興味はあったけど、わざわざリアル店舗に足を運んでタオルを買おうとは思えなかったという声が多かったですね。

 決して安価な商品ではないので、実物を見ないで説明も聞かず、Webストアで思い切って買うほど背中も押されていない。そういった方々にとっては、お店に行くよりもZoomストアを利用するほうがハードルが低いのだと思います。そのことは、発見の1つでした。逆にリピーターのお客さんは商品のことも自分の好みも分かっているので、Webストアで買ってくれていたことも分かりました。

Zoomストアでは益田店長がキャスター、池内計司代表がアシスタントとして接客をしている。下の画像は、友達同士で誘い合わせてZoomストアを利用しているところ
Zoomストアでは益田店長がキャスター、池内計司代表がアシスタントとして接客をしている。下の画像は、友達同士で誘い合わせてZoomストアを利用しているところ
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