業種を問わず多くの企業がチャネルをオンラインへとシフトし、デジタルによる顧客との直接的なつながりを築いてきたが、コロナ・ショックはこの流れを急激かつ不可逆的に推し進めることになった。新しい時代において、企業は顧客とどのようなつながりを、どのような場で、どんなモデルで築いていくのか。本連載の3回目からは、読み解くフレームワークと国内外で先行する企業事例を通して、取り組むべき問いを考えていく。

 第2回の記事(チャネルをデジタルシフトすればいいのか 課題の本質を問う)で、「今、企業が問い直すべきは、『(1)自社は本当に顧客とのつながりが築けているのか』、そして、いかにして他社と戦い得る『(2)オンライン基点のビジネスモデルを築くか』である」ことを述べた。

 まず「自社は本当に顧客とのつながりを築けているのか」という課題について考えてみたい。読者の皆さんも一人の顧客として、在宅期間に「どんな企業とのつながりが強まったか」を考えてみてほしい。筆者らで言えば、在宅の日々を支えてくれたのは、Zoomなどのテレワークサービス、Amazonや食材の宅配サービス、Netflixや音楽配信サービス、料理レシピの提供サービス、無料公開を含めた本や雑誌を提供してくれたサービス、友人と情報を交換するためのSNS、励ましや提案をくれるD2Cアパレルやシューズブランド、さらにはメディテーションやフィットネスなどのオンラインプログラムなどだった。これらのサービスはいずれも筆者らのことを理解し、情報や商品、サービスを提案してくれた。その一方で、これまで頻度高く行っていた近隣スーパーとは疎遠になり、モール型の店舗にも行かなくなった。その頻度は今も下がったままだ。

 つまり顧客として企業とのつながりが、一気に変化したのだ。コロナ禍を機として、顧客とのつながりを強めた企業と、失った企業があった。

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