2023年2月28日、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)の自動運転タクシー配車サービス「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」は、中国・武漢市における自動運転タクシー(ロボタクシー)車両数が100台を超えたことを発表した。運営範囲内の道路距離数は750キロメートルを超え、サービスエリアの面積は530平方キロメートル、利用者数は150万人近くに及ぶ。23年1月末までの累積受注(乗車)件数は200万件を突破し、世界最大規模の自動運転タクシー配車サービスとなっている。

自動運転タクシー配車サービス「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」の自動運転タクシーの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)
自動運転タクシー配車サービス「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」の自動運転タクシーの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)

 武漢市で運営されるロボタクシーが100台を超えたことに伴い、同市でのロボタクシー利用は爆発的に成長を迎え、1台のロボタクシー1日当たりの利用数は、ピーク時に20回を超えている。今やルオボークワイパオは、武漢市民が日常でよく使う交通手段の一つに加わるほどだという。

 利用頻度が多いことに加え、ユーザーの満足度が高いのも、ルオボークワイパオの特徴だ。公開データによると、ルオボークワイパオのユーザー満足度は、5点満点中4.9点に達しており、満点評価をしたユーザーの数は全体の94.19%を占めている。

ルオボークワイパオの自動運転タクシーの内部の様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)
ルオボークワイパオの自動運転タクシーの内部の様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)

武漢は中国自動車産業の重点都市の一つ

 武漢市は中国にある6つの自動車産業のクラスター(集積地)の一つ。自動車産業の発展を積極的に推進しており、自動運転車のデモンストレーションが可能なさまざまな場を提供している。バイドゥの自動運転プラットフォームであるApollo(アポロ)は、武漢市で展開する自動運転車配車サービスについて、この半年で3段階の飛躍を遂げた。まず2022年8月に、武漢で中国初の完全自動運転のロボタクシー配車サービスを開始。次いで同年の12月に、サービスエリア、車両数、運営時間といった規模を拡大して区をまたいだサービスと夜間でのサービスの提供を開始した。そして第3段階が、前述した23年2月28日時点の実績になる。サービスカバーエリアは、商業エリアから住宅地、工業団地、大学などに及び、ユーザーの高頻度な移動のニーズに応えている。

自動運転で世界の最先端を維持

 米調査会社ガイドハウス・インサイツが発表している最新の自動運転企業の競争力ランキングリポートによると、最も先進的なポジションの「LEADERS(主導者)」には、バイドゥと自動運転開発を手掛ける米Waymo(ウェイモ)、米ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社で自動運転技術を手掛ける米Cruise(クルーズ)などが含まれる。いずれも完全自動運転車の運営を商業ベースで実現しており、バイドゥは何年も連続で世界の自動運転の「LEADERS」の位置に立つ。中国企業では、バイドゥが唯一「LEADERS」に選ばれる企業となっている。

米調査会社ガイドハウス・インサイツが発表した自動運転技術競争力ランキングを示す図の一部。左下から右上にかけて、「FOLLOWERS(追随者)」「CHALLENGERS(挑戦者)」「CONTENDERS(競争者)」「LEADERS(主導者)」となっている(画像はバイドゥのニュースリリースから)
米調査会社ガイドハウス・インサイツが発表した自動運転技術競争力ランキングを示す図の一部。左下から右上にかけて、「FOLLOWERS(追随者)」「CHALLENGERS(挑戦者)」「CONTENDERS(競争者)」「LEADERS(主導者)」となっている(画像はバイドゥのニュースリリースから)

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