中国EC最大手のアリババ集団のクラウドサービス「阿里雲(アリクラウド)」は、ドイツBMWのオープンイノベーション部門「BMW Startup Garage」と連携し、共同で設立した「連合イノベーション基地」を拠点として、スタートアップ企業によるイノベーションのスケールアップをサポートしてきた。今回は、同基地のこれまでの取り組みと、直近のアクセラレーションプログラムの全貌を取り上げる。

「阿里雲(アリクラウド)」とドイツBMWのオープンイノベーション部門「BMW Startup Garage」が共同で設立した「連合イノベーション基地」によるアクセラレーションプログラムのプログラム参加証(画像はアリババのニュースリリースから)
「阿里雲(アリクラウド)」とドイツBMWのオープンイノベーション部門「BMW Startup Garage」が共同で設立した「連合イノベーション基地」によるアクセラレーションプログラムのプログラム参加証(画像はアリババのニュースリリースから)

 連合イノベーション基地(以下、同基地とする)は、2020年11月にプレオープンし、21年5月20日に正式に運営開始。優秀なスタートアップ企業を選抜して同基地に入居させると同時に、アリババのクラウド技術やエコシステム、イノベーション技術およびスタートアップ企業を支援するサービスなどの経営資源(リソース)を、入居企業に開放している。

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 例えば、同基地は「インターネット+自動車」の領域に関連するプロジェクトのマッチング商談を22年9月中旬までに累計100件近く実施し、実際に契約および入居に至ったプロジェクト数は20件に達している。その中の一部のプロジェクトでは、BMW社内にあるニーズとのマッチングおよびPoC(概念実証)を展開したほか、BMWの専門家が定期的に同基地を訪問し、自身の経験を共有するなどしている。

連合イノベーション基地の様子(画像は連合イノベーション基地の運営企業「瑞谷科創[RECO SPACE]」のニュースリリースから)
連合イノベーション基地の様子(画像は連合イノベーション基地の運営企業「瑞谷科創[RECO SPACE]」のニュースリリースから)

 同時に、累計20以上のブランド主催コンテストや育成イベントの実施を通じて、3000人近くのイノベーション人材が連合イノベーション基地に参加した。うち30社以上の中小企業が、各社の専属担当者が1対1で実施する、大企業によるコンサルティングサービスを受けてきた。

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