中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)傘下の電気自動車(EV)企業「集度汽車(ジードゥ)」は2023年2月14日、中国北京市にて「ROBOVERSE三里屯体験センターキックオフ会」を開催した。同時に、バイドゥが自社の知識増大ファンデーションモデル「文心(ERNIE)」に基づき開発したAI(人工知能)生成式対話プロダクト「文心一言(ERNIE Bot)」を利用し、車内空間での人とのインタラクションに特化したAIモデルを実装する。

百度(バイドゥ)傘下の電気自動車(EV)企業「集度汽車(ジードゥ)」が2023年2月14日、中国北京市から運営を開始したROBOVERSE三里屯体験センターの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)
百度(バイドゥ)傘下の電気自動車(EV)企業「集度汽車(ジードゥ)」が2023年2月14日、中国北京市から運営を開始したROBOVERSE三里屯体験センターの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)

バイドゥの最新AI対話モデル「ERNIE Bot」の登場

 AI領域におけるバイドゥの10年以上の成果の1つが、知識増大ファンデーションモデル「文心(ERNIE)」だ。このモデルは、クロスモーダル(異なる種類の情報を対応付けること)やクロスランゲージ(異なる言語を対応付けること)技術による意味理解やその生成能力を有する。

 バイドゥは23年2月7日、そのERNIEの技術に基づき開発したAI生成式対話プロダクト「文心一言(ERNIE Bot)」を発表している。23年2月17日に行われた「AI+工業インターネットサミットフォーラム」で同社は、クラウドサービス「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」を通じて、対外的にERNIE botのサービスを提供し始めることを明らかにした。

 23年2月20日時点で、インターネットからメディア、金融、自動車、企業向けソフトウエアなどまで幅広い業種の約300社が、ERNIE Botを取り巻くエコシステムに加入することを宣言しているという。ERNIE Botは、そのエコシステムに加入することを宣言したパートナーを対象として、23年3月から正式にサービスを提供していく予定だ。

百度の執行副総裁(Executive Vice President)兼バイドゥのクラウドサービス「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」事業群総裁(President)である瀋抖(シェン・ドウ)氏がAI+工業インターネットサミットフォーラムにおいて演説する様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)
百度の執行副総裁(Executive Vice President)兼バイドゥのクラウドサービス「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」事業群総裁(President)である瀋抖(シェン・ドウ)氏がAI+工業インターネットサミットフォーラムにおいて演説する様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)

ロボットカーのマーケティングをオフラインで本格始動

 集度汽車(ジードゥ)は、今回ERNIE Botの能力を利用していくことを宣言すると同時に、同社のユーザー向けのデジタル体験計画「ROBOVERSE(ロボバース)」を開始することを発表した。ロボバースでは、スマート運転やスマートコックピットの操作などを含めて製品を体験できるほか、オフライン体験空間やポイントモールなどのサービス体験、そしてパートナー企業が提供する高級ブランド品やデジタルアート、SFプロジェクトなどの体験も楽しむことができる。その中で、ROBOVERSE体験センターは、ユーザー体験の入り口として、デジタル世界とリアルの世界を融合したいわゆる「第4類空間」をつくり上げている。

ジードゥが中国北京市で運営を開始したROBOVERSE三里屯体験センターの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)
ジードゥが中国北京市で運営を開始したROBOVERSE三里屯体験センターの様子(画像はバイドゥのニュースリリースから)

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