中国の新興アパレル「SHEIN(シーイン)」は2023年1月、世界中のデザイナーや芸術家を対象とした育成プロジェクト「SHEIN X」を21年1月に発表して以来、2周年を迎えた。シーインは過去2年間で5500万ドル(約71億5000万円)以上を同プロジェクトに投入し、20以上の国から来た約3000人のデザイナーや芸術家をサポートしている。23年は、引き続き全世界を対象に、1000人の優秀なデザイナーや芸術家を探し、同プロジェクトに加入させることを目指す。

世界中のデザイナーや芸術家を対象としたシーインの育成プロジェクト「SHEIN X」の2周年を記念するイメージ(画像はシーインのニュースリリースから)
世界中のデザイナーや芸術家を対象としたシーインの育成プロジェクト「SHEIN X」の2周年を記念するイメージ(画像はシーインのニュースリリースから)

シーインの創業者育成プロジェクト「SHEIN X」とは

 「SHEIN X」は、世界市場を対象に、個人で活動する独立系のデザイナーや芸術家を集め、彼らが自身のブランドを発展させるサポートをするプロジェクトだ。

 このプロジェクトは2023年1月までの2年間に、約3000人のデザイナーや芸術家をサポートし、2万5000件以上のオリジナル作品を生み出してきた。シーインはデザイナーに対し、生産ラインを用意する。その生産ラインには、数十社の専門的な製造サプライヤーが関与する。この生産ラインを通じて、製品の開発から製造、その後のマーケティングやサプライチェーンを支える物流などへの支援を行い、デザイナーが自らのデザイン理念を反映させた完成品を、消費者の手元に届けるというプロセスの実現に成功している。

「SHEIN X」のイメージ(画像はシーインのニュースリリースから)
「SHEIN X」のイメージ(画像はシーインのニュースリリースから)

デザイナーの育成を多方面から支援

 シーインは、SHEIN Xプロジェクト内で育成対象となるデザイナーに対し、専用の生産ラインのほか、主に3つの面から支援している。

 1つ目は、デザイナーのトレーニングと技術ツールの提供だ。シーインは、専門家による高度な短期トレーニングやビジネスの指導をデザイナーに提供する。同時に、デザイナー用に専門的に開発したオンラインの技術ツールを使用することで、企画段階から実際の製品化までデザイナー自身がその全過程を見られるようにした。またこの技術ツールにより、デザイナーは消費者からのフィードバックやニーズにリアルタイムで気づき、対応することもできる。

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