中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のクラウド部門「華為雲(ファーウェイクラウド)」は、2022年12月31日に放送された中国湖南省の衛星テレビ局「湖南衛視(湖南チャンネル)」の番組「2022-2023跨年晩会(直訳で、22~23年の年越しナイトパーティー、以下ナイトパーティー)」の製作に際して、技術を提供した。ファーウェイクラウドは、22年11月に発表したクラウドネーティブレンダリングエンジン「MetaEngine」を通じて、同チャンネルのバーチャルヒューマンやバーチャルシーン、そしてメタバース(仮想空間)関連の番組の制作をサポートしている。
テレビ番組撮影の舞台をバーチャル化する際のファーウェイの役割とは
今回の番組、ナイトパーティーの目玉は、バーチャルヒューマンのリアルタイム操作方式を大胆に採用していることだ。例えば、ナイトパーティーの中のバーチャルヒューマンインタラクション小番組「制造浪漫」では、芸術的な創造性と舞台技術により、驚異的な視覚効果をもたらしている。
この効果を後ろで支えているのが、顔の部分も対象とした高精度のリアルタイムモーションキャプチャーやリアルタイム照明制御システム、そしてリアルタイムでレンダリング(描画)をしたAR(拡張現実)などを含む「全フローリアルタイム操作技術」だ。この技術を基礎として、撮影における特殊効果と画像上の粒子が一定の方向に流れる粒子効果を組み合わせることで、バーチャルヒューマンのリアルタイム性を大きく向上させている。
同時に、ナイトパーティー史上、初めて実現したのが、バーチャルヒューマン2体を1つの舞台に登場させ、かつその動きなどを演出したことだ。ナイトパーティーのバーチャルヒューマンインタラクション小番組では、バーチャルヒューマンに舞台上で各出演者と肩を並べて競技を行わせるため、4つのカメラスタンドを初めて配置。それぞれのカメラスタンドはリアルとバーチャルを融合させるシステムを実装することで、バーチャルヒューマンのレンダリングとキャスト制御を実施。これにより、それぞれのカメラスタンドのバーチャルヒューマンをレンダリングするという「ミッションの安定性」と「レンダリングの精度」を最大限保証しているほか、より完成度の高い光影の特殊効果を生んでいる。
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