中国EC最大手のアリババ集団傘下にある医療関連のネットサービス「阿里健康(アリヘルス)」が運営するヘルスケアECプラットフォーム「天猫健康」は2022年11月8日、聴力健康公益キャンペーン「助聴行動(直訳で、補聴アクション)」を開始した。聴力検査や相談、科学的知識の普及、そして介護関連機関への寄付を通じて、高齢者の聴力問題への関心を集めると同時に、高齢者を対象とした聴力ソリューションを提供していく。

天猫健康が実施するキャンペーン「助聴行動」のポスター(画像はアリババのニュースリリースから)
天猫健康が実施するキャンペーン「助聴行動」のポスター(画像はアリババのニュースリリースから)

 中国国家衛生健康委員会、全国老齢工作委員会弁公室が発表した「2021年度国家老齢事業発展公報」によると、21年末時点で、中国全土の60歳以上の人口は約2億6700万人、65歳以上の人口は2億人を超えたという。その高齢者に典型的な問題の1つが、聴力が衰える難聴である。参考研究によると、65歳以上の高齢者の約3分の1が中度以上の難聴を抱えている。つまり、中国では約6000万人の高齢者が現在、難聴に直面していることになる。難聴は、対応を取るまでに放置しておく時間が長くなればなるほど、周囲のものに対して興味を持たなくなったり、焦りやいら立ちからうつ症状などの心理・精神的問題を発症したりするケースが多くなりがちだ。その結果、難聴が原因で周囲から孤立し、社会的に隔離された状態に陥ってしまうこともある。

 そこで天猫健康は、スマート補聴器スタートアップ「智听科技(Eartech)」や中国複合企業大手「復星国際(FOSUN)」傘下の補聴器企業「復聡(FOCONG)」などの補聴器メーカーと、中国社会福利基金会やアリババ公益、アリヘルス公益といった公益事業の担い手となる組織とともに、江西省遂川県内の多数の介護機関を訪問した。現地では、数百人の聴覚障害を有する高齢者の自宅を訪問し、聴力スクリーニングや長期的なオンライン健康サポート活動を、聴力健康公益キャンペーン「助聴行動」の一環として、実施している。

「助聴行動」のイメージ(画像はアリババのニュースリリースから)
「助聴行動」のイメージ(画像はアリババのニュースリリースから)

アリババの補聴器キャンペーン「助聴行動」とは

 このキャンペーンでは、オフラインでの高齢者の聴力支援サポート以外に、アリババグループのネット通販アプリ「淘宝(タオバオ)」上に「助聴行動」専用ページを設置。国家の認証を受けた聴覚訓練士が、オンラインで中国全土の高齢者に対して専門の聴力検査相談サービスを提供する。その中で、さらに相談の必要がある高齢者やその子女の疑問に答えるサポートを行っている。22年11月8日から20日の間には、ユーザーがタオバオ上で「助聴行動」と検索するだけで、直接そのページを閲覧することができる。これ以外にも、ユーザーは、アリヘルスの公式「微博(ウェイボ、中国版ツイッター)」アカウントや中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)のチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」のアカウントを通じて、一般の消費者が、高齢者の耳が遠い状態を体験できるようになっている。

「助聴行動」の一環として、オフライン環境下で高齢者を対象に補聴器の導入テストを行う様子(画像はアリババのニュースリリースから)
「助聴行動」の一環として、オフライン環境下で高齢者を対象に補聴器の導入テストを行う様子(画像はアリババのニュースリリースから)
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