中国の新興アパレル「SHEIN(シーイン)」は2022年9月28日、30年に向けた温暖化ガス削減計画を発表した。シーインは、30年までに自社の業務の中で発生している温暖化ガスの総排出量を25%削減することを目標とする。今後は、同時に発表した21年の温暖化ガス排出量を30年までの削減目標のための基準ラインとしつつ、科学的な排出量の削減を継続して実施していく。

シーインの2030年までの温暖化ガス排出量削減目標のポスター(画像はシーインのニュースリリースから)
シーインの2030年までの温暖化ガス排出量削減目標のポスター(画像はシーインのニュースリリースから)

 シーインは、品質試験サービスの英インターテックグループと連携し、2021年に、川上から川下まで自社の全工程の総排出量であるカーボンフットプリントを測量した。加えて、排出量の大部分を占めるスコープ3(取引先など自社以外のサプライチェーン全体の排出量)の排出量を計算し、インターテックグループと共同で開催したシンポジウムを通じて、削減目標を確定した。シーインは、今回打ち立てた30年に向けた目標を、承諾書として国際的な認定機関「科学的な目標に基づく国際イニシアチブ(SBTi)」に提出し、検証してもらう形で目標達成を目指していく。

シーインの温暖化ガス削減計画の全貌とは

 シーインによるスコープ1(自社のオフィスや工場で出る排出量)からスコープ3までの温暖化ガス排出削減計画内容はこうだ。まずスコープ1では、同社自身の業務から直接排出される温暖化ガス排出量(21年の総排出量の0.05%以下)を対象とし、30年には、このスコープの排出量を現状と比べて42%削減することを目標とする。

 スコープ2(電力などのエネルギー調達に関連する排出量)では、同社の施設によるエネルギー購入過程で産出される温暖化ガス排出量(21年における総排出量の0.5%以下)を対象とし、30年までに事業で使用する電力を、全て「再生可能エネルギークレジット(RECs)」の電力で代替する。

 そして、シーインの温暖化ガス排出量の中で最も比率が大きいスコープ3では、同社のサプライチェーン全体が産出する温暖化ガス排出量(同社による21年における総排出量の99%)を対象とし、30年には、このスコープの絶対値を25%削減することを目標とする。

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