中国EC最大手アリババ集団傘下のクラウドサービス部門「阿里雲(アリクラウド)」は2022年9月初旬、中国保険大手「中華財険(CIC)」と連携し、漁業養殖場向けの保険をデジタル化によってアップグレードする取り組みについて発表した。両社はIoT設備と従来の保険を組み合わせた新たな保険商品「クラウド保険養殖池」を共同で開発し、漁業の発展を促進するプロジェクトとして進める。

広東省肇慶市四会市の養殖事業者と養殖池に設置されたIoT設備(画像はアリババのニュースリリースから)
広東省肇慶市四会市の養殖事業者と養殖池に設置されたIoT設備(画像はアリババのニュースリリースから)
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開発されたデジタル漁業ソリューションとは

 露天の池で魚を養殖する伝統的な養殖モデルは、作業の負担が大きいと同時に、水質汚染を引き起こしやすい。アリクラウドは、その課題の解決を目指し、漁業養殖場向けのIoT設備を開発することで、地表から水中までの観測を実現した。

 具体的には、養殖池に溶存酸素(水中に溶解している酸素)センサーや温度センサー、pH(ペーハー)センサー、水産養殖IoT制御キャビネット、水中カメラ、農作業用マイクロ気象ステーションなどの設備を導入する。養殖池にこれらの設備を備えることで、養殖事業者は溶存酸素量や温度、pH値、そして地表の風力、降水量などの指標をスマートフォンからいつでも閲覧することができる他、リアルタイムで水中の魚の生育状況を観測することが可能だ。中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が運営するSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」上のアプリ内アプリである「小程序(ミニプログラム)」さえあれば、養殖事業者はスマホを使って水質データなどを素早く把握し、手間と時間のかからない魚の養殖が可能になる。

養殖事業者がスマートフォン上のミニプログラムを通じて養殖池の水質データを閲覧する様子(画像はアリババのニュースリリースから)
養殖事業者がスマートフォン上のミニプログラムを通じて養殖池の水質データを閲覧する様子(画像はアリババのニュースリリースから)
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