中国の画像認識大手である商湯集団(センスタイム)は2022年8月9日、家庭向けのAI(人工知能)中国将棋ロボット「元蘿蔔SenseRobot(センスロボット)」を発表した。このロボットは、中国の伝統的な文化である中国将棋とAI技術との融合を実現し、中国将棋協会の認証も取得済みだ。今後は、子供が中国将棋を学習するパートナーとなり、子供と対局することで子供の思考力を鍛えるほか、中国の将棋文化の次世代への引き継ぎにも貢献すると思われる。

家庭向けのAI(人工知能)中国将棋ロボット「元蘿蔔SenseRobot(センスロボット)」(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
家庭向けのAI(人工知能)中国将棋ロボット「元蘿蔔SenseRobot(センスロボット)」(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
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 中国の国家体育総局棋牌運動管理中心(日本語直訳で国家体育総局チェス・カード運動管理センター)の主任兼中国将棋協会主席の朱国平(ジュー・グオピン)氏は、「中国の将棋人口は1億人以上に達する。しかし、中国将棋協会が以前から慎重に探索してきた課題として、科学技術の進歩や情報化が進む中で、いかに中国将棋固有の特徴を維持しながらよりよく次世代に継承していくかが、常に考えられてきた」という。実際にセンスロボットは、そのクールかつかわいらしい姿とテクノロジー感あふれるロボットとして、中国伝統文化の1つである中国将棋に新しい生命を吹き込もうとしている。これにより、以前からの課題を解決する一助となるだけでなく、AIをより多くの家庭に普及させることが期待されている。

 センスタイムのイノベーション工程院(エンジニアリングアカデミー)院長の沈徽(チェン・ウェイ)氏が解説した、センスロボットのこれまでの開発過程によると、センスロボットは、3Dプリンターを使用して製作した初代のモジュールから最新のロボットに至るまで、9回のバージョンアップを経ているという。センスタイムはバージョンアップを重ねる中で、このロボットのインタラクティブ(双方向)性を徹底的に追求し、今回の完成に至っている。

センスロボットと中国将棋の対局をする子どもの様子(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
センスロボットと中国将棋の対局をする子供の様子(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
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 センスロボットは22年8月9日から、アリババ集団の通販サイト「天猫(Tモール)」において予約販売が開始されており、価格は1999元(約3万9980円)となっている。以下では、その特徴について紹介する。

センスロボットの2つの特徴とは

 特徴の1つ目は、まるで人と対局しているかのように感じられるその動作の器用さだ。センスロボットは、そのアームを敏しょうに動かし、電磁吸着点を使って、将棋の駒を正確かつ安定してつかむことができる。実際のロボットとの対局から得られる体験は、スマートフォンのゲームなどでは得られないリアルなものとなっている。以前から工業向けに使用されてきた機械アームを埋め込んだことが特徴で、動作をよりスムーズにし、あたかも人の手のように柔軟に動かすことができるようにしている。

センスロボットが動作する様子(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
センスロボットが動作する様子(画像はセンスタイムのニュースリリースから)
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