中国のAI(人工知能)技術開発大手の雲従科技(クラウドウォーク)は2022年6月2日、小規模なビジネスシーンにAIを応用できるエッジAIボックス「諦格(ディガー)」を発表した。AIを応用できる小規模なビジネスシーンは大量にあり、従来のAIを導入するには高かったハードルを、このエッジAIボックスで大きく引き下げる。クラウドウォークは独自で高効率なAIの生産ラインを構築しており、大量のAIアルゴリズムを生成することで、大量の需要を満たすことができる。
エッジAIボックス「諦格(ディガー)」は、人や車両、物体、そして行為といった領域に合わせて標準化されたさまざまなAIを、ビジネスシーンのニーズに合わせて搭載し、既存の設備を改造してアップグレードできる。加えて、搭載するAIについては、クラウドウォークがあらかじめ独自の生産方式によって低コストで作成し、標準化したモデルを用意する。また、ディガーは端末側でAIを搭載できるため、従来のサーバー接続によるAIの搭載と比べ、およそ40分の1という低い電力使用量を実現した。この結果、AIを実装するハードルを下げ、消費電力を減らし、AIのバリューエーションを増やす体制も整っていることから、さまざまな業界の小規模なビジネスシーンに応用できる形となっている。
例として、ディガーのガソリンスタンドでの活用について取り上げる。クラウドウォークはガソリンスタンド専用版のディガーを用意し、ガソリンスタンドで必要とされるAIを実装している。例えば、車両識別や喫煙行為の識別、煙検知、車両統計、通話行為の識別、消火器識別、給油時間の識別、スタッフの許可のない持ち場離れのアラームなどについて標準化されたAIが用意されている。ディガーを活用することで、こうしたガソリンスタンドで発生する小規模なニーズを満たし、安全管理作業を規範化し、安全リスクに即時対応可能な体制構築をサポートできる。
エッジAIボックス「ディガー」の3つの特徴
ディガーには、3つの特徴がある。1つ目は、標準プロトコルを採用し、多様なハードウエアセンサーデバイスの互換性を確保して、実装しやすくしている点だ。もともと対象となるビジネスシーンに設置されている設備をそのまま利用できるのに加え、追加でセンサー設備をつなげたりもできる。
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