中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は2022年5月19日、中国国有自動車大手の上海汽車集団傘下の自動車ブランド「飛凡汽車(Feifan Auto)」と共同で、同ブランドの主力モデルである「R7」にファーウェイのAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレー(AR-HUD)システムを搭載することを発表した。ファーウェイのAR-HUDは、広い視野角(13度×5度)や1920×730の業界最高解像度、10L(リットル)という商用化しやすいコンパクトなサイズを特徴とする。

Feifan Autoの「R7」に搭載されたAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレー(AR-HUD)を使用したドライバー目線の様子(画像はファーウェイのニュースリリースより)
Feifan Autoの「R7」に搭載されたAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレー(AR-HUD)を使用したドライバー目線の様子(画像はファーウェイのニュースリリースより)
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 ファーウェイのAR-HUDは2021年9月にドイツのミュンヘンで初めて開催された国際自動車&スマートモビリティー展(IAA MOBILITY)で発表された。その後、短期間で自動車メーカーとの協業を実現し、量産前提の商用車への実装にまでこぎ着けた。

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ファーウェイが提供するAR-HUDの特徴とは

 最新のAR-HUDには、3つの特徴がある。1つ目は、量産前提の商用車に搭載するAR-HUDとしては視野角が最大となっていることだ。ファーウェイは、自社で開発している、光ファイバーでデータ伝送する際に光通信路を自由に設定(スイッチング)できる光クロスコネクト(OXC、optical cross-connect)技術を、他に先んじてAR-HUDに応用した。これにより、Feifan Autoの「R7」は、商用車では最大となる左右13度×上下5度の視野角を実現。ドライバーは、メーター情報や安全補助情報、そして複数車道に対応したARの高精度ナビゲーションといった情報を、運転手の前方7.5mの位置に設定された表示エリアに、リアルタイムで投射されたディスプレーで見ることができる。これらすべての情報が、直観的に得られるようになることで、ユーザーの安全運転をサポートする。

Feifan Autoの「R7」に搭載されたAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレー(AR-HUD)システムの概念図(画像はファーウェイのニュースリリースより)
Feifan Autoの「R7」に搭載されたAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレー(AR-HUD)システムの概念図(画像はファーウェイのニュースリリースより)
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 2つ目は、AR-HUDの高解像度が、ユーザー体験の質を高める重要な役割を果たしているという点だ。ファーウェイの独特なODP(光学データ処理)光学エンジンには、シリコンとガラス基板の間に液晶を挟み込んだ反射型液晶(LCoS、Liquid Crystal on Silicon)技術を採用している。これにより、ピクセルレベルの位相変調と高精度反射制御を通じて、Feifan Autoの「R7」のAR-HUD上では、業界最高レベルの1920×730の解像度、12000ニト(明るさの度合いを表す単位)の輝度、そして1200:1の高コントラストを実現。たとえ道路状況が複雑でも、また雨や霧で夜間の視界が悪くなる天候でも、画面がはっきり表示されるようになっている。

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