中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は現在、中国の国有石炭大手「神華集団」と国有発電大手「国電集団」が合併した「国家能源投資集団(CHN ENERGY)」と連携し、2021年9月14日に発表した採掘業用OS(基本ソフト)「鉱鴻(クアンホン)」を実装して、成果を出している。炭鉱企業は、クアンホンを導入することで、炭鉱関連業務をスマート化し、設備およびシステムの安全性や信頼性を向上させることができる。

ファーウェイが開発を主導した採掘業用OS(基本ソフト)「鉱鴻(クアンホン)」(画像はファーウェイのニュースリリースより)
ファーウェイが開発を主導した採掘業用OS(基本ソフト)「鉱鴻(クアンホン)」(画像はファーウェイのニュースリリースより)
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 採掘業用OS(基本ソフト)「鉱鴻(クアンホン)」は、神華集団傘下の石炭生産企業である神東煤炭集団の4つの炭鉱で既に実装が進んでおり、設備メーカー62社が提供する57種類、2072台の設備を、クアンホンに適応させている。ファーウェイと国家能源投資集団(CHN ENERGY)は、神東煤炭集団の炭鉱で実装した経験をモデルケースとし、他の炭鉱へも横展開して、クアンホンの普及を加速させることを狙う。

クアンホンの3つの特徴

 クアンホンには、3つの特徴がある。1つ目は、ワンタッチ操作によりリモートで採掘ができることだ。神東煤炭集団の大柳塔炭鉱に実装されており、掘削機の運転手がリモコンのレバーを操作し、ボタンを押すと、地面から垂直距離で130メートル、直線距離で7000メートルを隔てたところにある採掘現場に設置されたスマート掘削機の起動から速度制御などを、リモートで実施し、掘削作業を実行できる。実現される自動化率は最高で92%に達しているという。

スマート掘削機の制御センターの様子(画像はファーウェイのニュースリリースより)
スマート掘削機の制御センターの様子(画像はファーウェイのニュースリリースより)
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