中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2022年2月27日、中国山西省陽泉市での自動運転タクシー(ロボタクシー)配車サービスプラットフォーム「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」の一般向け有料サービスの開始を発表した。バイドゥは、同都市内でまず停留所を30カ所設置し、陽泉高新区政務センターを中心に、政府業務や一般市民の通勤といった移動の需要に応えていく。

中国山西省陽泉市内を走る「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」のロボタクシーの様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)
中国山西省陽泉市内を走る「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」のロボタクシーの様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)

 自動運転タクシー(ロボタクシー)配車サービスプラットフォーム「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」の一般向け有料サービスの利用の仕方は、いたってシンプルだ。まず、ユーザーはルオボークワイパオのアプリをダウンロードし、開く。そして指定区域にいれば、これまでの配車アプリと同じような形でロボタクシーを呼んで乗車できる。乗車料金も同様に、走行距離に応じて算出される。

ロボタクシー配車サービス利用後、オボークワイパオアプリ上で決済する様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)
ロボタクシー配車サービス利用後、ルオボークワイパオアプリ上で決済する様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)

 陽泉市でのサービスは、陽泉市政府による同市のデジタル経済およびスマートコネクションに対する厚いサポート下で、展開された。陽泉市は2020年3月から、自動運転車と道路がコラボレーション可能な模範地区「自動運転車路協同示範区」を開放し、都市全域の走行試験用一般道路と13キロメートルの走行試験用高速道路を提供している。つまり、ルオボークワイパオの商業化のためのインフラが既に整っている状態にある。

 加えて、バイドゥは22年2月25日、陽泉高新区のアポロの開発拠点「アポロ・パーク」を開業している。この施設は、自動運転やスマート交通の研究開発、設計、そしてテストから実装化までを担う拠点として、陽泉市が「中国国内初の全域テストの模範都市」となっていくに当たって、技術面をサポートするものだ。このようにバイドゥと陽泉市は相互に支援し合い、連携を深めている。

陽泉市が目指す自動運転車実装とは

 陽泉市は「智車之城(直訳でスマートカーの都市)」という代名詞のもと、中国国内で最先端となる自動運転車実装エリアとなることを目指している。その特徴は3つある。

 1つ目は、最高レベルの自動運転技術の実装だ。陽泉市は、自動運転サービスの運営基盤プラットフォーム「車城網(チャーチェンワン、直訳で車と都市のネットワーク)」を構築し、それをベースに自動運転「レベル4」(特定条件下での完全自動運転が可能)以上の高度な自動運転車を運営し、規模を大きくしていく考えだ。

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