中国湖南省の衛星テレビ局「湖南衛視(湖南チャンネル)」が制作するバラエティー番組「你好、星期六(こんにちは、土曜日)」では、人間そっくりなデジタルヒューマン「小漾(シャオヤン)」が司会者として活躍している。湖南広播電視力台の5G重点実験室とVR(仮想現実)コンテンツの制作会社「芒果幻視(MANGO XR)」が開発し、背後では中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が技術面を支えている。
2021年は、「デジタルヒューマン元年」とされている。デジタルヒューマンは、これまでゲームやアニメの中の登場人物とみなされていたが、それに留まらず、日常生活の中に着実に浸透してきている。
今回紹介するデジタルヒューマン「小漾(シャオヤン)」は、34台のカメラを使って、シャオヤンを模擬した人の動きをモーションキャプチャーすることによって、動いている。このような仕組みは様々なところで模索されているが、どこでも、より生きた人間のように表現できるよう工夫がされている。このような生きた人間のようなデジタルヒューマンを制作するのは、実は容易でない。なぜなら原画の設計から3Dモデルの構築、動作や顔面部の表情の連携および操作など、各工程で高度な技術が必要だからだ。そのハードルを下げるのが、ファーウェイのクラウド部門「華為雲(ファーウェイクラウド)」が開発したデジタルコンテンツ制作ツール「MetaStudio」だ。
「MetaStudio」の機能とは
MetaStudioは、放送前と放送中の両方でデジタルヒューマンを活用した番組の制作をサポートする。まず放送前には、コンピューターグラフィックス(CG)の3次元レンダリングで豊富なリソースを提供する。撮影や編集、モデリング、データの関連付け、被写体の動作調整、レンダリング、合成、そしてコンテンツの分配などすべての作業過程をクラウド上で実行可能にし、全プロセスを自動化する機能と合わせて、作業効率を向上させている。AI(人工知能)も備えており、レンダリングのスピードを加速するところで活用されている。
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