中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は2021年12月23日、自社の企業向け設計システム「T Design」のオープンソース化を発表した。T Designは、テンセントの約300人のデザイナーと開発者が共同で制作し、500件以上のプロジェクトで実際に使用されたものである。テンセントは、このシステムをオープンソースとすることで、ユーザーや業界内の連携企業と共同で、競争力のあるデザインシステムにしていくことを狙いとしている。

テンセントの企業向けデザインシステム「T Design」の体系図(画像はテンセントのニュースリリースより)
テンセントの企業向けデザインシステム「T Design」の体系図(画像はテンセントのニュースリリースより)

 テンセントは2019年から、グループ内で企業向けデザインシステム「T Design」のオープンソース化への取り組みをスタートさせ、ソースコードを社内で全て開放することを奨励し、共同開発することを推し進めてきた。この動きの背景には、各チームのデザイン業務がわざわざ分散して管理され、かつデザインの品質もばらつきが存在する現状を補正したいという、テンセントのデザイナーと開発者の考えがあった。この考えを起点とし、テンセントでは開発チームが構成され、T Designの誕生に至る。

「T Design」の2つの特徴

 まず特徴として挙げられるのは、完備された開発ツールとデザインツールが用意されていることだ。開発面では、開発者に主要開発技術スタック(スタックとは、アプリケーションを構築・実行するのに使用される一連のテクノロジーサービスのこと)を提供している。例として、Webデスクトップのアプリ構築に使われる「Angular」やモバイル端末上のアプリ構築に使われる「Flutter」、他にもユーザーインターフェースを構築するためのプログレッシブフレームワーク「Vue」やJavaScriptライブラリ「React」、さらに自社が運営する中国最大のチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」上で開くことができるアプリ内アプリ「小程序(ミニプログラム)」も同システム内で開発できるようにしている。そして、デザイン面では、主要デザインソフトウエアである「Axure」や「Sketch」「Figma」や「Adobe Xd」などが使用でき、開発者とデザイナー間のやり取りを1つのシステムでスムーズにサポートしている。

T Designで活用できるデザインソフトウェアやデザイン補助ツール(画像はテンセントのニュースリリースより)
T Designで活用できるデザインソフトウェアやデザイン補助ツール(画像はテンセントのニュースリリースより)
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