中国EC最大手のアリババ集団が毎年「独身の日」に開催する中国最大のネットショッピングセール「Tモール・ダブルイレブン・グローバル・ショッピング・フェスティバル(天猫ダブルイレブン)」が2021年11月1日から11日にかけて開催された。11日間の総取扱高は、過去最高額となる5403億元(約9兆6500億円)を記録した。これまでと異なる点として、業務のクラウド移行やスマート工場、環境に優しい技術応用があり、今回はその3つを紹介する。

アリババ集団最大のネットショッピングセール「Tモール・ダブルイレブン・グローバル・ショッピング・フェスティバル(天猫ダブルイレブン)」が2021年11月1日から11日にかけて開催された。(画像はアリババのニュースリリースより)
アリババ集団最大のネットショッピングセール「Tモール・ダブルイレブン・グローバル・ショッピング・フェスティバル(天猫ダブルイレブン)」が2021年11月1日から11日にかけて開催された。(画像はアリババのニュースリリースより)

アリババ内部の業務を100%クラウドに移行

 3つの特徴の1つとして、アリババ集団が実施したすべての業務を、100%クラウドに移行した点が挙げられる。業務すべてを自社のクラウドに移行させるには、途中で業務が中断しないことを保証する必要があるだけでなく、その移行期間中に突如発生する案件に対応する必要もあるため、大きな挑戦だ。今回アリババ集団は、社内の全業務を自社のパブリッククラウド上に配置することに成功した。これは大企業としては世界初の試みである。実際、今回の天猫ダブルイレブンのピーク時の計算コストは、クラウド移行のおかげで昨年比50%減少を実現するなど、成果を出している。

アリババ集団内部の業務をすべて自社クラウドに移行したことを示すイメージ(画像はアリババのニュースリリースより)
アリババ集団内部の業務をすべて自社クラウドに移行したことを示すイメージ(画像はアリババのニュースリリースより)

 アリババ集団のCTO(最高技術責任者)である程立(チェン・リー)氏によると、クラウド移行の利点は明白だったという。例えば、アリババ集団が手がける業務の研究開発効率の20%向上、CPU(中央演算処理装置)における資源利用率の30%向上、そしてクラウドの利点を100%余すところなく活用したシステムの構築などが挙げられる。また、オンライン業務のキャパシティーを拡大すると同時に、計算効率を大幅に上昇させることで、天猫ダブルイレブンの全体の計算コストを、3年前と比べて30%低減させているという。

注文激増に対応可能なスマート工場の建設もサポート

 2つ目の特徴としては、天猫ダブルイレブンによって激増した注文数に対応可能なスマート工場の開発をサポートしたことだ。アリババ集団のクラウドサービス部門「阿里雲(アリクラウド)」は、厨房電気器具の製造を主要事業とするスマート家具メーカー「老板電器(ROBAM)」と近年連携し、スマート工場の開発を進めていた。このスマート工場が正式に稼働し始めて以来、今回初めて天猫ダブルイレブンを迎えた。

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