中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は2021年10月17日、中国・天津港におけるスマートコンテナターミナルの運営開始を、提携企業と共同で発表した。このコンテナターミナル構内の水平搬送を担うスマート水平搬送システムは、ファーウェイをはじめ、天津港を統括する中国国有企業の天津港集団、中国国有通信最大手の中国移動(チャイナモバイル)などが連携して構築。竣工から1年余りという短期間で運営開始にこぎ着けた。
天津港スマートコンテナターミナルの4つの着目点
運営が開始された天津港のスマートコンテナターミナルは、着工から完成までの開発プロセスや構造などが、これまでのコンテナターミナルの事例とは異なる。4つの着目点を紹介する。
まず1つ目は、幅広い領域の技術を一斉に導入しているところだ。天津港のスマート水平搬送システムには、まずAI(人工知能)から自動運転、クラウドコンピューティング、高精度地図、センサー、高精度位置測位システム、高速通信規格「5G」、そして車両と無線通信する「V2X」まで、幅広い技術が導入された。こうした多数の技術を密集させる形でイノベーションを実現している。
次に2つ目は、スマートコンテナターミナル完成までのスピードの速さだ。15カ月という短期間で完成した。まず2020年7月に天津港スマートコンテナターミナルのコアであるスマート水平搬送システムの設計を開始。21年1月には荷役のために船が着岸する「バース」部分のシステム連動のテストを実施。そして、同年6月には実船を使用した運行テストに取り組み、同年10月17日に運営開始に至っている。
この記事は会員限定(無料)です。