中国EC最大手のアリババ集団の研究機構「達摩院」(ダモアカデミー)は2021年9月下旬、1年前に実装を開始したAI(人工知能)物流ロボット「小蛮驢」(シャオマンリュー)を利用した配送の累計注文回数が、既に100万回を超えたと発表した。中国では、52カ所の都市で160以上の社区(中国独自の地域コミュニティー)や大学のキャンパス内で荷物を配達しており、20万人以上の消費者にサービスを提供している。

物流センターに並ぶAI物流ロボット「小蛮驢」(シャオマンリュー)(画像はアリババのニュースリリースより)
物流センターに並ぶAI物流ロボット「小蛮驢」(シャオマンリュー)(画像はアリババのニュースリリースより)

実装が進むAI物流ロボットの特徴とは?

 シャオマンリューは、ダモアカデミーによって開発され、2020年に発表されたAI物流ロボットである。その外観は、銀色と灰色、白色を基調としており、車内の構造は自由にカスタマイズできるようになっている。移動においては強化学習技術によって、混雑した環境下でも自らが進む路線を算出でき、配送の効率性を保証する。

 また、高精度の位置測位技術により、全地球測位システム(GPS)の信号が届かない環境下でも、シャオマンリューは普通に運行できる。さらに消費者は、アリババグループの物流関連会社である菜鳥(ツァイニャオ)やECサイト「淘宝網(タオバオ)」のアプリを通じて、希望する配送時間を選ぶことができる。シャオマンリューは、その希望に従い、指定時間に指定の目的地に到達。ユーザーは、アプリ上で取得したパスワードを入力するだけで、荷物を受け取ることができる。

 既にアリババは21年の春から、湖北省武漢の大学3カ所にシャオマンリューを設置し、キャンパス内でロボットに荷物を配達させることで、冬休み明けで大学に多くの学生が戻るこの時期特有の物流ピークへ対応した。

最先端のアルゴリズムを応用 コストを大幅削減

 アリババ集団の副総裁兼ダモアカデミーの自動運転実験室の責任者である王剛(ワン・ガン)氏は、「私たちの1つの重要な突破口は、最先端のアルゴリズムを使用することで、低コストで社区やキャンパスの中を舞台にした自動運転ロボットの大規模実装を可能にすることである」と話す。

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