中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)のセキュリティー事業部門「騰訊安全(テンセントセキュリティー)」は2021年8月5日、新サービス「テンセント安心プラットフォーム」を発表した。このプラットフォームは、ブロックチェーンなどの先端技術や二十数年にわたるネット犯罪対策における経験およびその蓄積に基づき、企業の商品生産から流通、販売までの全過程において、デジタル化された管理プロセスを支援する。

騰訊安全(テンセントセキュリティー)の楊光夫(ヤン・グァンフ―)副総裁が、新サービスである「テンセント安心プラットフォーム」を発表(画像はテンセントのニュースリリースより)
騰訊安全(テンセントセキュリティー)の楊光夫(ヤン・グァンフー)副総裁が、新サービスである「テンセント安心プラットフォーム」を発表(画像はテンセントのニュースリリースより)

 テンセント安心プラットフォームは、すべての商品それぞれに唯一のQRコードを付与する。商品の流通段階ごとに、QRコードを通じて商品データの生成を段階的に行い、ブロックチェーン技術でデータの改ざんを不可能にし、同時にプライバシーの保護を強化する。こうして最終消費者は、QRコードをスキャンすることで、商品情報の真実性を確かめることができる。また、商品の実際の生産地から販売会社までをすべて明らかにすることで、ブランド価値を向上させたり、消費者の商品選択における不安を軽減したりして、市場の監視および管理の強化につなげる。

 さらに同プラットフォームは、AI(人工知能)とビッグデータ技術に基づき、偽ユーザートラフィックに対する対策モデルを構築し、ブランド側がマーケティング上のリスクに対応するための安全防護システムも整備している。ブランド側がキャンペーンイベントを開催する際に大きなリスクとなるのは、クーポンやギフト券、現金報酬など企業のオンラインマーケティングプロモーションを利用してお金を稼ぐ「羊毛党」と呼ばれる人々や、インターネット上でダフ屋行為などをする人によって発生する、実態を正しく反映しない偽のユーザートラフィックだ。テンセントの安全防護システムはそれらの偽ユーザートラフィックをAIとビッグデータ技術で識別し、ブランド側の対策をサポートして、マーケティングが滞りなく実践されるようにする。

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