中国EC最大手アリババ集団傘下のECサイト「淘宝網(タオバオ)」は、2021年7月17~25日に中国上海で「淘宝造物節(TAOBAO MAKER FESTIVAL 2021)」を開催した。その期間中の7月22日に絵画展覧会を開き、一枚の作品である「新百工図(直訳で新たな百の職業図)」が展示された。その全長は12.64メートル、全幅は0.5メートルと大規模なもので、画風はアンティーク風だ。注目すべき点は、この作品の中に、新たに中国で誕生した107種類の職業が描かれていることだ。
「新百工図」は全体で、生放送室とスタジオ、オフィス、ペットカフェ、レストラン、市場、公園、アパート、そして居住環境の9シーンからなる。各シーンには、モデルからメーク講師、電子製品整復師、そして情報処理安全検査士などまで、計132の登場人物がいて、それぞれはっきりと分業し、業務を行う様子が描かれている。この作品は、いわばタオバオが監修した中国の新職業図鑑といえる。
数字で見る中国EC労働市場の変化
2021年5月13日の中国政府教育部の発表によると、21年の中国全土の高等教育機関の卒業生数は909万人に達し、その数はこれまでの最高値を更新した。タオバオの新職業調査データによれば、インタビューを受けた高等教育機関卒業生の4割以上が、インターネット関連業界に携わっていく意向を示し、デジタル化した新業態への挑戦にも前向きな姿勢を持っているという。
タオバオが示した新職業に従事する人々の年齢は、1990年代以降生まれの若い世代が多く、その割合は77.2%にも上る。特に過去1年間は、2000年以降生まれの世代がECの参入者として頭角を現し、新職業に従事する人々に占めるこの世代の割合は、大幅に上昇した。その結果、彼らのタオバオ上での開業店舗数は、初めて90年代生まれの世代が開業した店舗数を超えた。
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