2021年7月25日、東京五輪女子シンクロ板飛び込みで、中国の施廷懋(シー・ティンマオ)と王涵(ワン・ハン)ペアが金メダルを獲得した。この背景には、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が、クラウド事業の百度智能雲(バイドゥスマートクラウド)を使って中国で初めて打ち出した「『3D+AI(人工知能)』板飛び込みトレーニングシステム」がある。同システムは、オリンピックまでの数カ月間のトレーニング効率を20%上昇させた。
バイドゥスマートクラウドの「『3D+AI』板飛び込みトレーニングシステム」は、板飛び込みのトレーニングにおける難点を補完する。AI技術によってトレーニング映像を全てチェックし、選手の動作抽出、姿勢改善などの処理を実施して、「はっきり見える」「正確に見える」「全て見える」「見て分かる」の4つを実現した。
2D映像に基づき飛び込みの全過程を3Dで表現
まず、「はっきり見える」では、映像を一コマずつ高速に収集・処理する。板飛び込みチームの練習場には、ハイスピードカメラなどの画像を収集・処理する一連のハードウエアを用意する。クラウド上では、3D視覚感知やAIスマート解析、その他バイドゥスマートクラウドのサービスが用いられている。端末側では、タブレットなど移動端末を利用した3Dのインタラクティブシステムやスマートトレーニングアシスタントを利用し、取得データを専門的な知識モデルとして構築できる。
2つ目の「正確に見える」では、飛び込み動作の3D計測と量的評価を行う。収集された高速映像は2Dだが、バイドゥの3D視覚技術や深度神経ネットワークにより選手の姿勢を3Dで把握できるため、各関節も3Dで再現可能だ。また、人体3D再構築技術により、飛び込みの全過程を3Dで再現することもできる。3Dで再現することで、飛び込み動作に対して正確な量的評価を実現する。
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