中国EC最大手のアリババ集団傘下の生鮮食品スーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ、以下フーマー)」は2021年6月18日、米コストコが展開するような会員制倉庫型スーパー「盒馬X会員店(フーマーXメンバーショップ、以下フーマーX)」を中国北京と上海に1店舗ずつ新たに開店した。フーマーXは、中国初の会員制倉庫型スーパーで、1号店は20年10月1日に上海で開店済み。今回の2店舗で計3店舗になる。

会員制倉庫型店舗「フーマーX」の外観(画像はアリババのニュースリリースより)
会員制倉庫型店舗「フーマーX」の外観(画像はアリババのニュースリリースより)

 北京と上海に開店したフーマーXのそれぞれの面積は、約1万7000平方メートルと1万8000平方メートルで、よく見られる倉庫型スーパーより広い。これまでのフーマーのように、オンラインとオフラインを一体化した運営方式を採用した。加えて、3キロメートル圏内ならば30分以内で商品を配達するこれまでのサービスを拡大し、実店舗周辺20キロメートル圏内ならば半日以内で商品を配達するサービス「半日達(直訳は半日で到着)」を提供している。

 注目したいのが、会員制度の価値をさらに高めるため、フーマーは次々とサービスの多角化を図っている点だ。フーマーXは「小さな家庭の生活応援ステーション」となることを目標としている。具体的には、顧客は1度の買い物で家庭の1週間分の生鮮食品を買いそろえられるだけでなく、乗用車のメンテナンスや洗車、メガネの調整や手入れ、そしてペットのトリミングなどのサービスも受けられるのだ。北京の店舗では、ホームテキスタイルや衣服の高級クリーニングサービスまで提供している。

会員制倉庫型店舗フーマーXの店内の様子(画像はアリババのニュースリリースより)
会員制倉庫型店舗フーマーXの店内の様子(画像はアリババのニュースリリースより)

商品開発力を武器にニッチな需要を穴埋め

 フーマーXの独自商品にも注目したい。フーマーは2021年5月31日、新商品を開発するインキュベーションセンター「盒馬X加速器(フーマーXアクセラレーター)」の設立を発表している。フーマーには、長年にわたり蓄積してきたオンラインとオフライン両方の消費者インサイトや優れた研究開発力、イノベーション力、そして中国の1級・2級都市に分布する257カ所以上のフーマー店舗ネットワークがある。

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