中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2021年6月17日、自社の自動運転プラットフォーム「Apollo(アポロ)」と中国国営自動車大手である北京汽車集団傘下の高級電気自動車(EV)メーカー、北汽藍谷新能源科技と共同で、ライドシェア用自動運転車「Apollo Moon(アポロ・ムーン)」を発表した。発表会では、両社が新たに戦略提携を結び、今後3年間で1000台の運行を目指すことを明らかにした。

ライドシェア用自動運転車「Apollo Moon(アポロ・ムーン)」の外観(画像はバイドゥのニュースリリースより)
ライドシェア用自動運転車「Apollo Moon(アポロ・ムーン)」の外観(画像はバイドゥのニュースリリースより)
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 アポロ・ムーンは、より大量生産して現場で運用しやすい自動運転車とされている。その最大の理由は、生産コストを大幅に引き下げていることだ。生産コストは1台当たり48万元(約820万円)に抑えられ、これは「レベル4」(特定条件下での完全自動運転が可能)の自動運転車両としては、業界内の平均生産コストの3分の1でしかない。しかも、アポロ・ムーンはこうしたコストの大幅削減に成功しつつ、業界をリードする技術力も維持して、イノベーティブな機能も多数備えている。

バイドゥのアポロと北汽藍谷新能源科技がライドシェア用自動運転車「アポロ・ムーン」を発表する様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)
バイドゥのアポロと北汽藍谷新能源科技がライドシェア用自動運転車「アポロ・ムーン」を発表する様子(画像はバイドゥのニュースリリースより)
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多数のイノベーティブな機能を搭載

 まず自動運転技術では、複雑な都市道路でも99.99%の目的地到達率を実現している。加えて、万が一システムが故障したとしても、車両の自動運転は継続でき、乗客を安全な地点へ送ることも可能。車両と無線通信する「V2X」や高速通信規格「5G」を活用したリモート運転も可能にしている。