オリンピック・パラリンピックの競技を撮影し全世界に中継するクラウドサービスである「OBSクラウド」は、2021年7月に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックから、公式試合の中継と報道を全面的にサポートする予定だ。このOBSクラウドは、中国EC最大手のアリババ集団のクラウドサービス「阿里雲(アリクラウド)」と国際映像を制作するオリンピック放送機構(OBS)が2018年に共同開発したプラットフォーム。高品質な報道を届けられるだけでなく、中継と報道におけるコスト削減も実現する。

OBS中継センターの放送設備とその作業の様子(画像はアリクラウドニュースリリースより)
OBS中継センターの放送設備とその作業の様子(画像はアリクラウドニュースリリースより)

 2021年3月4日に行われたオリンピック公式サイトによる独占インタビューで、OBSのYiannis Exarchos(イエニス・エグザコス)CEO(最高経営責任者)は、OBSとOBSクラウドの近況について発言した。「現在、オリンピックが開催されると、競技を撮影して中継する報道映像を、17日間で9000時間以上作成することが求められる。この要求は依然として容易ではなく、チャレンジングである。しかし、今回の重大な危機がもたらした機会を逃さず、新型コロナウイルスの感染拡大が開催国や中継作業に与える影響を極力抑えることで、そこから新たなものを学ぶ機会をつかむことは、非常にエキサイティングだ」。

報道映像をスマホで編集が可能に

 まさに今、技術がスポーツ報道の在り方を変えようとしている。OBSクラウドは、報道機関に提供する新しい形式のデータやAR(拡張現実)、そしてVR(仮想現実)を使ったサービスを、今回の東京オリンピックや次回のスポーツ競技イベントで試用し始める予定だ。また競技の報道については、テレビだけでなく、ソーシャルメディアやデジタルメディアなど、より多くの形式を利用し展開していく。エグザコスCEOが挙げた例によると、報道関係者は中継されたコンテンツを使用して再度報道コンテンツを制作することができ、またこれらの編集作業を自動車の後部座席に座りながらスマートフォンを使って行うこともほぼ可能になるという。