中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)のクラウドサービス「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」は2020年10月22日、石油化学産業に属する企業をデジタル化する「百度智慧油気解決方案(バイドゥスマート石油天然ガスソリューション)」を発表した。AI(人工知能)やクラウドコンピューティング、ビッグデータ、あらゆるモノがネットにつながるIoTなどの技術が含まれ、業界全体をデジタル化する「新型インフラ」の建設を後押しする。
バイドゥスマート石油天然ガスソリューションは、北京市で開催された、次世代通信技術と石油化学産業を融合するイノベーションについて話し合うフォーラム「2020中国石油石化企業信息技術交流大会」で発表された。同フォーラムは、石油化学分野の研究を代表する中国石油学会と、中国石油大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)や中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)、延長石油(ヤンチャン・ペトロリアム)、それに中国国有化学大手の中国中化集団(シノケム)といった業界大手による共催だ。
石油化学産業が抱える問題
石油化学産業は、中国の経済を支える重要な産業の一つとされるが、コロナ禍による原油価格下落や環境汚染などの影響から、供給過多や利益低下といった負の状況に陥っている。具体的には、供給面でプラットフォームとの連携が不十分、生産データが統合できていない、運営を保証する措置に限界がある、マーケティングや財務の標準が統一されていないなどが挙げられており、バイドゥはこれらの問題を、石油化学企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートすることで解決する。
3つの技術で石油化学産業をスマート化
同ソリューションは、主にAIやビッグデータ、IoTの3つの技術を活用する。それぞれの技術の役割はこうだ。
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