中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)のクラウドサービス「騰訊雲(テンセントクラウド)」は2020年10月20日、次世代通信規格「5G」の普及により増大した通信データをエッジ側でデータ処理できる「テンセントクラウド5Gエッジコンピューティングセンター(Mini T-block)」を発表。5Gとエッジコンピューティングを組み合わせることで、ネットワークのリソースの上限の問題で5G本来のパフォーマンスを発揮できない問題を解決する。

テンセント本社に設置された「テンセントクラウド5Gエッジコンピューティングセンター(Mini T-block)」(画像はテンセントのニュースリリースから引用)
テンセント本社に設置された「テンセントクラウド5Gエッジコンピューティングセンター(Mini T-block)」(画像はテンセントのニュースリリースから引用)
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 通常、発生するデジタルデータはすべてインターネットを通じてクラウド上にあるコンピューティングセンターに転送され、そこでデータを統合して計算処理が行われる。このため、ネット上にデータが集中することで伝送スピードが低下し、5Gを用いても本来のパフォーマンスを発揮できない状況が発生していた。

 これに対し、テンセントクラウドは、Mini T-blockを利用することで、すべてのデータをクラウド上のコンピューティングセンターに集中させることなく、一部をエッジ側で計算処理できるようにした。これにより、5Gのデータ通信を安定させ、ユーザー体験の向上につなげることができる。

 例えば、クラウド上でゲームをプレー可能なクラウドゲームに利用できる。スマートフォンでクラウドゲームをプレーする際、物理的に離れた従来のコンピューティングセンターとデータをやり取りしていたのでは、ネットワークのリソースからくる制限によって不安定な通信状態でのプレーになる。しかし、ユーザーから物理的に近いエッジコンピューティングセンターを利用すれば、より安定した通信状態でのプレーを実現できる。

設置しやすいコンパクト設計

 Mini T-blockはテンセントのコンピューティングセンターサービス「T-block」の1つで、従来大型であるコンピューティングセンターをコンパクト化したものだ。テンセントクラウドが自主開発したサーバー「星星海(シンシンハイ)サーバー」やエッジコンピューター、5Gのインターネット接続設備に加え、ラックや配電設備、冷却設備、インターネット、配線、消防システムなどが1つのコンテナのようなボックスに格納されている。加えて、耐熱・耐寒性も持つため、温度環境を問わずに平らな土地があればすぐ使用できるようになっている。このように1つのボックスにコンパクト化することで、使い勝手が良いコンピューティングセンターを実現している。

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