中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は、2020年9月25~27日に中国海南省海口市で開催された、医療の情報技術とビッグデータの応用に関する大型カンファレンス「CHITEC 2020」で、スマート医療ソリューション「華為 IdeaHub 多学科協同会診聯合解決方案(ファーウェイ・アイデアハブ・マルチディシプリナリー・チーム連合ソリューション)」を発表した。このソリューションはスマートディスプレーを通じて、医師の共同作業をスマート化する。

「CHITEC 2020」の様子(画像はファーウェイのニュースリリースから)
「CHITEC 2020」の様子(画像はファーウェイのニュースリリースから)
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スマート医療ソリューションを提供する3社と共同開発

 華為 IdeaHub 多学科協同会診聯合解決方案は、スマート医療ソリューションを提供する3社とファーウェイによって共同開発された。その3社とは、スマート医療プロダクトおよびソリューションを提供する「東華医為(メディウェイ)」、デジタルコンテンツおよび3次元情報の可視化ソリューションを提供する「艾迪普科技(アイデアプール)」、医療向けクラウドプラットフォームおよびソリューションを提供する「心医国際(センイント)」だ。

 ファーウェイは各社の持つ既存のソリューションに、独自開発の企業向けスマートディスプレーを通じて共同作業を支援するスマートワークプラットフォーム「HUAWEI IdeaHub(ファーウェイアイデアハブ)」と次世代通信規格(5G)、クラウドコンピューティング、AI(人工知能)をそれぞれ提供し、強化された各ソリューションを統合させている。

 まず、メディウェイとでは、メディウェイのAI補助PACS(医療用画像管理システム)とファーウェイアイデアハブを結合させる。ファーウェイアイデアハブの持つ、トップレベルのクラウドを利用したオンライン会議およびリモート共同作業能力がシステムに加わる。医師は異なる場所にいても、リアルタイムで、画像データを共同で確認しながら、診断することが可能になる。

 またAIが医師の画像データの読み取りを補助し、共同診療中の医師は、共同視聴している画像の中で、細微な箇所の特定やマークをすることができる。また、2DのCTデータを3Dに変換し、ディスプレー上に映すことが可能で、潜在的に病変する可能性のある組織を見つけ、病理検査の正確性の向上もサポートする。加えて、手術プランのリモートでの打ち合わせや手術の講義などにも高い有用性を発揮している。

ファーウェイアイデアハブ上で表示されるメディウェイのAI補助PACS(医療用画像管理システム)の様子(画像はファーウェイのニュースリリースから)
ファーウェイアイデアハブ上で表示されるメディウェイのAI補助PACS(医療用画像管理システム)の様子(画像はファーウェイのニュースリリースから)
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