2020年9月16日、中国EC最大手のアリババ集団傘下でスマート製造プラットフォームを運営する「犀牛智造(シーニュージーザオ)」は、独自のスマート工場「迅犀(シュンシー)デジタルファクトリー」とその成果を初めて公表した。これはアリババの創業者で前CEOの馬雲(ジャック・マー)氏が16年に提唱した「五新(新小売、新製造、新金融、新技術、新エネルギー)」戦略のうち「新製造(ニューマニュファクチャリング)」の取り組みの1つだ。
シーニュージーザオはアリババがインキュベートした企業で、同社が運営するスマート製造プラットフォームはアリババのクラウドコンピューティングやIoT、AI(人工知能)技術を活用して構築されている。今回公表されたシュンシーデジタルファクトリーには、中小企業向けに提供するエンド・ツー・エンドで全経路をデジタル化するソリューションが含まれ、製造ラインをオーダーメードしてニーズに合わせた量産が可能になる。つまり、日々変化する顧客のニーズに迅速に対応できる生産ラインを、中小企業が持てるようになるのだ。
具体的には、リアルタイムで製造設備などのリソース分配から、生産プロセスおよびコストの計画、物流の自動化、シーニュージーザオ独自のスマート製造オペレーションシステム(OS)の提供などにまで、アリババの新技術が活用されている。これらの技術によって合理的な製造コストかつ納期の短縮を実現すると同時に、小ロットでのオーダーへも対応可能になるため、シュンシーデジタルファクトリーを導入した中小企業は生産効率を高めることができる。
加えて、アパレルの流行などのトレンドやそれに伴う販売量の予測にもAIが活用され、製造における意思決定をサポートする。
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