2020年8月15日、中国EC最大手のアリババ集団傘下のネット出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」は、自社の配達員の作業着をモチーフにしたファッションの予約販売を開始した。これは「ネット出前サービス+ファッション」という、全く異なる業界をまたいだ斬新な取り組みだ。
ネット出前配達員の従来のイメージを覆す
ウーラマは2020年8月10日から13日まで開催されたアリババの祭典「淘宝造物節(TAOBAO MAKER FESTIVAL 2020)」のファッションショーで、22種類のファッションを発表した。ウーラマが発表したこれらのファッションは「青い騎士」と名付けられ、デザインはウーラマの出前配達員の作業着をモチーフにしている。「青い騎士」のネーミングの由縁はこうだ。青色は出前配達員の作業服の色から来ており、配達員はどんなに悪天候でも出前を届けてくれる勇敢な騎士とたたえられているためだ。
騎士という言葉は、新型コロナウイルス感染症の流行中に「感染」という脅威と戦い、国民の食を支えて大活躍したウーラマの出前配達員の姿を思い浮かべれば、納得がいくだろう。今回のウーラマのファッション業界への参入は、フードデリバリーという1つの都市の機能と中国のファッション要素を融合させ、デリバリー配達員のこれまでのイメージを一新している。
ウーラマのブランド部高級総監の楊国靖(ヤン・グオジン)氏は、「『青い騎士』はウーラマブランドの1つのブランドとして『ファッション』の要素を生み出し、同時にそれは若者およびウーラマの活力も象徴している。デザインには『青い騎士』の要素を取り入れ、例えば反射シートはオレンジと青のブランドカラーを基礎とし、ポケットを多く付ける実用的なデザインを採用して一般の消費者も着やすくしている」と話し、デザインを紹介した。
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