中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2020年6月29日、行動データに基づいた健康管理サービスを提供する北京妙医佳健康科学技術集団(More)と慢性病管理の領域で提携した。両社はバイドゥのスマートスピーカー「小度在家(シャオドゥザイジャ)」を通じて、慢性病患者一人ひとりに合った慢性病管理サービスを、家庭により入り込んだ形で提供する。
Moreとはどんな会社なのか
Moreは中国国内で健康管理アプリを運営し、この分野をリードするベンチャー企業だ。人の行動データをAI(人工知能)を通じて分析し、健康状態を把握して管理することで、自覚症状が乏しい糖尿病などの慢性病の早期発見および予防をサポートする。加えて、300以上の健康管理デバイスとの連携が可能で、ユーザーは体温や血圧といった身体データも併せて収集し、健康管理に活用できる。さらに、健康保険や医薬、医者とのマッチングなどの医療サービスも提供しており、いまや医療総合プラットフォームとして機能している。
慢性病管理の新モデルを構築
両社はまず、互いの持つソリューションと技術を統合する。具体的には、バイドゥが持つAI医療ブランド「霊医知恵(リンイージューフイ)」の慢性病管理ソリューションと医療分野のAI技術を、Moreの強みであるデータ収集能力と結び付ける。バイドゥのスマートスピーカー「小度在家(シャオドゥザイジャ)」に、Moreが抱える300以上の健康管理デバイスをつなげることで、家庭での簡易的な健康情報の測定を容易に実現し、ユーザーに合った健康管理サービスの提供を可能にする。
両社は次に、新たな健康保険サービスを共同開発する。ビッグデータ技術およびAI技術と、病院内で取得するデータおよび病院外で取得するデータを結び付け、両社が持つリソースおよび慢性病管理ソリューションを統合する。リモート問診やオンライン訪問・観察といった、インタラクティブかつユーザーごとにカスタマイズされたサービスを共同で開発し、その後のサービスのリリースや商業化も共同で推進する。
両社は、慢性病管理のエコシステムも構築する。バイドゥとMoreは、相互が抱えるAI企業パートナーと慢性病管理を手掛けるエコシステムパートナーに対し、病院や政府、インターネット、保険などの分野で協力し、補完性を発揮する。両社が抱えるこれらパートナー企業とリソースを合わせることで、慢性病管理のエコシステムを構築していく。
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