2022年1月に開催された家電やデジタル技術の見本市「CES 2022」。ソニーグループが電気自動車(EV)事業への本格参入を発表するなど、大きな話題を呼んだ。そんな中で、日本政策投資銀行(DBJ)産業調査部が注目したのは、「メタバース」「バリューチェーンの変化」、そして「Web3.0」という3つのキーワードだ。
CES 2022は、開催直前に新型コロナウイルスのオミクロン型が流行拡大したことで、米アマゾン・ドット・コムや米ゼネラル・モーターズ(GM)が現地での出展を見送るなど、慌ただしく緊張感が漂う幕開けとなった。筆者は21年に続き、日本からオンラインで参加した。
まずは、過去のCESで発表されたテクノロジーを確認しておこう(下表)。2011年に米フォード・モーターが電気自動車(EV)を発表しており、約10年後の現在、EVが自動車産業の主役になろうとしている。10年というタイムスパンに注目してみると、13年にフレキシブル有機ELや自動運転が出てきている。約10年後に当たる22年や23年は、それらの動向に注目である。
CES 2022では、毎年恒例の主催者CTA(Consumer Technology Association)による、注目すべきテクノロジートレンドが発表された。それは、(1)トランスポーテーション、(2)宇宙技術、(3)サステナブル技術、(4)デジタルヘルスの4つである。トランスポーテーションでは、EVやマイクロモビリティが挙げられた。また、サステナブル技術では、化石燃料由来ではない電力やスマートシティなどが例示された。そして、IC(集積回路)で作られたツリー写真によって、脱炭素・環境問題を最先端のテクノロジーで解決する方向が示された。
そんな中、筆者が考えるCES 2022の注目トピックスは次の3つだった。(1)メタバース、(2)バリューチェーンの変化、そして(3)Web3.0である。それぞれ解説していこう。
メタバースとバリューチェーンの変化に注目
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