日本政策投資銀行(DBJ)産業調査部が、アフターコロナ時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)を読み解く人気連載。今回は、パソコンやスマートフォンなどDXの要となるデバイスの“頭脳”、CPUの技術動向に加え、NTTが進める「IOWN(アイオン)構想」について解説する。

パソコンのCPU市場で急成長している米AMDの「Ryzen(ライゼン)」(写真/Shutterstock)
パソコンのCPU市場で急成長している米AMDの「Ryzen(ライゼン)」(写真/Shutterstock)

 「落ち着いたら、パソコンを1台組みたい」

 2020年8月20日、将棋の第61回王位戦七番勝負にて史上最年少で二冠を達成した、藤井聡太二冠の勝利後のコメントである。

 藤井二冠は、以前から将棋の練習に自作パソコンを取り入れており、米半導体企業のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の「Ryzen(ライゼン)」というCPU(中央演算処理装置)のユーザーであることが知られている。また、20年7月には、メディアのインタビューで、「今世界で一番会いたい人」として、AMDのリサ・スーCEOを挙げたほどだ。

 そんな、藤井二冠が言及したAMDは、20年1月にラスベガスで開催された最先端テクノロジーの展示会「CES 2020」で、リサ・スーCEOが基調講演に登壇するなど、今勢いのある企業だ(ちなみに、21年にオンラインで開催予定のCES 2021にも基調講演で登壇予定)。一般にCPUといえば、「インテル、入ってる」というフレーズでおなじみの米インテルが浮かぶだろう。実際、パソコンのCPU市場はインテルが独占してきたが、足元ではAMDが徐々にシェアを上げてきている。

 本稿では、すべてのDXの要といえるパソコンやスマートフォン、データサーバーなどに欠かせない最先端のCPUの技術動向と、技術的な課題やエネルギー問題に焦点を当て、 新しい一手で課題解決を探る日本企業の動向を紹介する。

DNAサイズに近づいている微細化競争

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