※日経トレンディ 2020年6月号の記事を再構成

テレワークの導入とともに、短いテキストやビデオなどで迅速なコミュニケーションを可能にする「ビジネスチャットツール」が急激に広まりつつある。電話やメールに代わる新たな定番ツールになると言われるほどの勢いだが、仕事に生かすためには、まずビジネスチャットツールの特性を知っておくことが肝要だ。

ビジネスチャットツールはいくつかあるが、いずれも使い方の基本は同じだ。実は3つのポイントを押さえればある程度使いこなせるようになる
ビジネスチャットツールはいくつかあるが、いずれも使い方の基本は同じだ。実は3つのポイントを押さえればある程度使いこなせるようになる

 代表的なビジネスチャットツールの一つが「マイクロソフトTeams」。ワードやエクセルなど、マイクロソフトオフィスの機能をシームレスに使えることがメリットだ。一方で他社のアプリやサービスとの連携に優れるのが「Slack」。高機能なことからIT企業などの支持が高い。

 初心者に親しみやすいインターフェースなのが「Chatwork」や「LINE WORKS」。LINE WORKSは、スマホの「LINE」に近い感覚で使えることが強みだ。

 ビジネスチャットツールの使い方の基本はどれも同じ。実は3つのポイントを押さえればある程度使いこなせるようになる。

 まず1つ目が「チャネル(チャンネル)」の存在を意識することだ。チャネルとは特定のテーマや話題に関して話し合う場所のこと。ルールを無視して1つのチャネルに様々な話題を書き込むと情報が交錯し、グループ全体のコミュニケーション効率が著しく低下してしまう。書籍「ビジネスチャット時短革命」(インプレス)の著者でもある越川慎司氏は「テーマから離れて会話をするのであれば、新たにチャネルを作るべき」と話す。任意の投稿に返信する形で会話を続けていく「スレッド」にも注目したい。

チャットツールでは「チャネル(チャンネル)」と「スレッド」を意識して投稿すると分かりやすい。チャネルとは仕事や目的ごとにテーマを絞ったもの。スレッドとはチャネル内にあるトピックスや話題に関連する投稿の集まりだ。画面はTeamsの例。投稿に関する内容であれば、そのスレッドに「返信」すると管理しやすい
チャットツールでは「チャネル(チャンネル)」と「スレッド」を意識して投稿すると分かりやすい。チャネルとは仕事や目的ごとにテーマを絞ったもの。スレッドとはチャネル内にあるトピックスや話題に関連する投稿の集まりだ。画面はTeamsの例。投稿に関する内容であれば、そのスレッドに「返信」すると管理しやすい
チャンネルの数が増えたり、コミュニケーションが多くなると以前の投稿が埋もれてしまうことも。しかし、ツールの検索機能を使えば過去の投稿やファイルを簡単に見つけられるようになる。
チャンネルの数が増えたり、コミュニケーションが多くなると以前の投稿が埋もれてしまうことも。しかし、ツールの検索機能を使えば過去の投稿やファイルを簡単に見つけられるようになる。
ビデオ会議をする場合、ワイヤレスマイクは遅延が発生し、会話に微妙なズレが生まれることがある。スムーズな会話を目指すのであれば有線イヤホンやマイクを用意したい。
ビデオ会議をする場合、ワイヤレスマイクは遅延が発生し、会話に微妙なズレが生まれることがある。スムーズな会話を目指すのであれば有線イヤホンやマイクを用意したい。

 2つ目のポイントが、気軽にコミュニケーションできる雰囲気を共有すること。「例えばビジネスチャットで『お疲れさまです』や『よろしくお願いします』などを付けて投稿することは非常に効率が悪い」(越川氏)。気軽に会話できるビジネスチャットの利点を生かすためには、メールのような堅苦しい気遣いはなしで、すぐに本題に入ることが重要だという。

 反対に積極的に使うべき機能が「絵文字」だ。越川氏は「ビジネスチャットでは情報共有よりも、まずは感情共有を優先すべき」と話す。絵文字やアイコンでチーム内での感情表現のハードルを下げることで心理的安全性が高まり、結果として誰もが発言しやすく、様々な情報やアイデアが出てくる雰囲気を醸成できるという。

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