一見魅力的な製品だが、果たして買って大丈夫といえるのか。製品チェックに秀でた識者が良しあしを一刀両断する。今回は、傾けて回転させることでかき混ぜる斬新な調理鍋を試した。
※日経トレンディ2023年1月号の記事を再構成
●本体サイズ・重さ/幅370×奥行き279×高さ343ミリメートル・7.2キログラム
●満水容量/4.5リットル
●定格容量/2リットル(傾き2のとき)
●設定温度/40~200度
●定格消費電力/900W
2015年に発売されたシャープの「ヘルシオ ホットクック」(以下ホットクック)のヒット以来、電気調理鍋の普及が進んでいる。人気のポイントは「ほったらかし」にできること。鍋に食材と調味料をセットしてメニューを選べば、焦げ付かせる心配がなく、最適な火加減で自動調理をしてくれる。ホットクックには、2本のアームで内鍋の中をかき回す仕組みもある。また「予約調理」機能も便利。朝に準備をしてスイッチを入れておけば、帰宅時に出来たてを食べられる。
その電気調理鍋に、「いためる」ための新たな機能を盛り込んだのが22年9月にアイリスオーヤマが発売した「自動かくはん式調理機 CHEF DRUM」(実勢価格6万6800円・税込み、以下シェフドラム)だ。最大の特徴は加熱時に内鍋が自動で回転すること。さらに鍋自体を30度(傾き2)と50度(傾き3)の2段階に傾けると、食材をかき混ぜながら焼く・いためるなどの調理ができる。アイリスオーヤマ小型調理家電事業部の小田直人氏は「いため物などが自動で調理できる業務用の回転鍋を家庭でも使えたら面白いと考えて提案した」と開発の経緯を説明する。アームで混ぜるホットクックよりも優位な点はあるのか。様々な料理で検証してみた。
シェフドラムの基本的な使い方は、既存の電気調理鍋と同様だ。食材と調味料を鍋に入れて蓋を閉めたら、メニュー番号をボタンで選択すればよい。違いは、一部のメニューでは、調理前に側面のラッチボタンでロックを解除して、鍋の角度を30度または50度に変更するところ。スタートボタンを押すと、自動的に内鍋が回転し、加熱が始まる。自動メニューは、カレーや煮物、いため物、低温調理など計108種類が選べる。
また自動調理メニューのうち、カレーや肉じゃがなど21種類のメニューは、最大15時間の予約調理にも対応する。この時間数はホットクックに見劣りしない。
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