一見魅力的な製品だが、果たして買って大丈夫といえるのか。製品チェックに秀でた識者が良しあしを一刀両断する。今回は11年ぶりに「LOOX」ブランドを冠する、富士通クライアントコンピューティングのWindowsタブレットを評価する。

※日経トレンディ2022年8月号の記事を再構成

タブレットPCの「FMV LOOX 90/G」（富士通クライアントコンピューティング）をテスト

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　長らくタブレットはiPadシリーズの一強状態が続いている。そこに風穴を開ける可能性を秘めた製品が、富士通クライアントコンピューティング（以下、富士通）から登場した。「FMV LOOX」というWindowsタブレットだ。「LOOX」は、かつて超小型モバイルPCなどで使われていたブランドで、今回11年ぶりの復活となる。同社の40周年記念モデルでもあり、かなり力が入っている仕様。今回は、店頭上位モデルの「LOOX 90/G」（実勢価格19万7780円・税込み）を検証する。

　製品を手にして、驚いたのがその軽さだ。13.3型と比較的大画面のタブレットながら、重さは599グラム。持ち上げると「おっ」と思わず声が出るほど軽く感じる。実質的なライバル機といえるマイクロソフトの「Surface Pro 8」は13型画面で889グラムとかなり重い。12.9型のiPad Pro（Wi-Fiモデル）も682グラムある。これらと比べると、FMV LOOXが相当に軽いことが分かる。富士通でも「タブレットとして活用してもらうには、軽さがとても重要。アルミ製のボディーを採用し、ディスプレイのガラスを極限まで薄くするなど、軽量化には腐心した」（富士通クライアントコンピューティング 商品企画統括部統括部長の田中大氏）という。

13型タブレットとして圧倒的に軽い

本体のみで600グラムを切る（上）。キーボードとスタンドを付けても1キログラム強（下）

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　なおFMV LOOXに、付属のスタンドを装着すると742グラム。これに、カバー兼用の別売りキーボード（実勢価格2万1780円・税込み）をセットしても計1030グラムに収まる。この程度なら、ノートパソコンとして日常的に持ち歩くのも余裕だ。