一見魅力的な製品だが、果たして買って大丈夫と言えるのか。製品チェックに秀でた識者が良しあしを一刀両断する。今回は、Amazonの「Fire TV」を初めて内蔵した、ヤマダホールディングスのスマートテレビを評価する。
※日経トレンディ2022年5月号の記事を再構成
ここ2〜3年で、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスの存在感が一気に増した。テレビ選びも、テレビ放送だけでなく、動画配信サービスが快適に見られることが重要になってきた。ヤマダホールディングス(以下、ヤマダ)が2022年3月に発売した「FUNAI Fire TV」シリーズも、その流れに乗ったテレビだ。
●本体サイズ・重さ/幅96.9×高さ61.6×奥行き22.9センチメートル・8.2キログラム(スタンド部含む)
●画面サイズ(解像度)/43型(3840×2160)
●チューナー/地上デジタル×2、BS・110度CSデジタル×2、BS4K・110度CS4K×2
●スピーカー実用最大出力/10W+10W
●入出力端子/HDMI×3、USB×2、ビデオ入力、ヘッドホン、光デジタル音声出力、LAN
●消費電力/98W(待機時0.5W)
Amazonは14年から、液晶モニターやテレビのHDMI端子に装着すると、動画配信サービスなどが利用できる装置「Fire TV Stick」シリーズを販売している。今回のFUNAI Fire TVは、地上/BS/CS放送が視聴できるテレビに、Fire TVの機能を内蔵した製品だ。ヤマダとAmazon、そしてヤマダが独占販売する「FUNAI」ブランドのテレビを製造する船井電機の3社が協力して開発している ▼関連記事:家電の雄、ヤマダはなぜアマゾンと組んだのか? 山田昇氏が語る 。3月時点でFUNAI Fire TVは43型、50型、55型の3種類があり、4月に32型が追加される。販売はヤマダデンキ系列の店舗かオンラインストアのみとなるが、ヤマダでは「想定以上にお客様からの評価が高く、売れ行きは好調」という。今回は売れ筋の43型である「FL-43UF340」(実勢価格10万9780円・税込み)をチェックした。
液晶パネルは4K(3840×2160)解像度。メーカーに確認を取ったところ、バックライトは直下型だが、部分的に明るさを変更してコントラストを高める「エリア駆動」には非対応だという。4Kテレビとしては、比較的安価なモデルに多い仕様だ。
セットアップを終えた後、まず地上デジタル放送から視聴してみた。初期設定である「標準」モードの画面はやや暗く、外光の差し込む部屋では少々見づらい。だが、「ナチュラル」モードに切り替えると明るくなり、メリハリも出る。こちらを初期設定にした方がよいと感じた。次にAmazonプライム・ビデオで明暗差のある映画を再生。黒い部分がややつぶれがちで、暗いシーンの表現などは得意とは言えないようだ。視野角については、30度ほど斜めから見ると色合いに変化が出始める。しかし、こうした弱点は10万円以下のテレビにはよくあること。それらの中では十分な水準だと感じる。
スピーカーは画面の下側に目立たぬように配置されており、出力は合計20ワット。テレビ放送で人の声を聞いた感じは、ナチュラルで聞きやすかった。一方で、映画や音楽の再生では低音の迫力が十分とは言えなかった。
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