一見魅力的な製品だが、果たして買って大丈夫といえるのか。製品評価に秀でた識者が良しあしを一刀両断する。今回は、360度カメラに前後カメラを加えたドライブレコーダーを試した。

※日経トレンディ2022年3月号の記事を再構成

「d'Action 360D DC4000R」(カーメイト)は、業界で初めて360度、フロント、リヤの3カメラを搭載するドライブレコーダーだ
「d'Action 360D DC4000R」(カーメイト)は、業界で初めて360度、フロント、リヤの3カメラを搭載するドライブレコーダーだ

 交通事故などのニュースでは、当事者や周囲のクルマのドライブレコーダー(ドラレコ)映像が流れるのが当たり前になった。ドラレコは、走行中に車内外を録画できる車載カメラ。いわゆる「あおり運転」や悲惨な事故の報道があるたびに注目され、様々なメーカーから続々と新商品が投入されている。電子情報技術産業協会の集計によるドラレコの出荷台数は、コロナ禍の2020年度に前年度よりやや落ち込んだが、それでも16年度の3倍以上となる約460万台が売れている。これは国内の新車販売台数に匹敵する規模であり、依然として最も勢いのある自動車用品だといえる。

 急速に普及が進んでいる背景には、あおり運転や交通トラブルへの警戒感の高まりがある。事件や事故に遭ったときに、動画という証拠を残しておけば安心と考える人が増えているのだ。

 ドラレコの多機能化も進んでいる。当初はフロント(前方)カメラのみの製品ばかりだったが、後方からのあおりや追突にも対応できる前後2カメラのドラレコがここ1~2年で主力になった。そして、さらなる上位機種として、車内や側方の映像も記録できる360度カメラに関心を持つ人も多い。

 しかし、360度カメラのみを搭載したドラレコは、肝心の前後の映像が不鮮明になりやすい弱点があった。21年11月にカーメイトが発売した「d'Action(ダクション)360D DC4000R」(実勢価格6万2480円・税込み)は、その欠点の解消を狙った、“完全版”ともいえるドラレコだ。同社は17年から360度カメラによるドラレコを販売している。17年の「DC3000」は360度カメラ単体機で、18年の「DC5000」は360度カメラを2つ搭載しつつ、前方はクリアに撮影できる機構を備えていた。そして3代目のDC4000Rは後方もきれいに撮影するため、3つのカメラを搭載するようになった。

d'Action 360D DC4000R(カーメイト)
実勢価格6万2480円(税込み)
●本体サイズ・重さ/幅122×奥行き47×高さ92ミリメートル・206グラム(メインカメラ)、幅59×奥行き38×高さ59ミリメートル・62グラム(リヤカメラ)
●記録画素数(最大)/1920×1080(フロントカメラ、リヤカメラ)、1920×1920(360度カメラ)
●画角/水平96度、垂直50度(フロントカメラ)、水平360度、垂直190度(360度カメラ)、水平131度、垂直75度(リヤカメラ)

 DC4000Rは、360度カメラと前方カメラ、液晶モニターが一体になった本体(メインカメラ)をフロントガラスに取り付け、後方撮影用のリヤカメラをリヤガラスに設置する構成だ。この3カメラ体制のことを同社では「ARF(Around、Rear、Front)」対応とうたっている。

 カメラの特徴を簡単に説明する。フロントカメラは、低照度のノイズに強い米オン・セミコンダクター製の有効200万画素CMOSセンサーと、F値1.5の明るいレンズを採用。360度カメラは、F値は2.2だが、赤外線LEDライトを備え、夜間の車内撮影に強い。こちらの有効画素数は360万画素だ。後方のリヤカメラは、夜間に強い有効200万画素のソニー製CMOSセンサーを採用し、レンズのF値も1.8と明るめだ。

 今回はSUBARUのスポーツセダン「WRX」に取り付けてテスト走行を行った。フロントガラスに専用の両面テープで本体を張り付け、シガーソケットから電源を取るのは一般的なドラレコと同じ。基本的に360度カメラが真下を向くように設置する。フロントカメラは前後左右に角度調整できるようになっており、少し中央からずらして設置しても前方をきちんと撮影できる。そして、リヤガラスにリヤカメラを取り付けて、本体とケーブルでつなげば完了だ。リヤカメラ用の配線は8.9メートルと長く、取り回しには困らなかった。

 一つ気になったのが、本体の横幅が一般的なドラレコよりも大きいこと。ケーブルのコネクター部に安全のためにカバーが付いているのも大きく見える原因かもしれない。運転中にバックミラーを見るたびにドラレコの存在感を感じた。逆に言えば、ドラレコ装着をアピールして、他車の嫌がらせを抑止したいと考えている人には向いているかもしれない。

本体サイズが大きめで視界に入る
本体の横幅が長めで、ケーブルカバーなどがやや目立つと感じた
本体の横幅が長めで、ケーブルカバーなどがやや目立つと感じた

 DC4000Rは、ドラレコとしてはやや大きめの2.7型液晶モニターを搭載する。車内で録画状況や映像の確認をする際にはとても快適だった。多少操作ボタンが小さいと筆者は感じたが、メニューの選び方などで迷うことはほぼなかった。

液晶モニターが大きく見やすい
液晶モニターが大きく見やすい ボタンが小さめだがメニューは分かりやすい
ボタンが小さめだがメニューは分かりやすい
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