テレワークが急速に広まり、自宅用やモバイル用のパソコンを新たに買う必要がある人も多いだろう。そのなかで、「国産」「納得価格」をうたう通販中心のメーカー、「マウスコンピューター」が目立っている。パソコンを長年ウォッチし続けてきた戸田覚氏がじっくり使って、果たしてお買い得なのかどうかをチェックした。「良い点」「及第点」「ここは残念」の3つに分けて細かくポイントを解説する。

※日経トレンディ2020年7月号の記事を再構成

マウスコンピューター「mouse X4-i5」をテスト
マウスコンピューター「mouse X4-i5」をテスト

 近年のパソコンメーカーでは、テレビCMで乃木坂46を起用するなど積極的なマウスコンピューターにとても勢いを感じる。10万円以下のモデルが多く、一見コスパが良さそうだが、仕事で使うのに十分な品質なのか。通販が中心のメーカーなので、店頭ではあまり見かける機会がない。そこでよく売れているというモバイルノートの実機をテストしてみた。

 今回取り上げる「mouse X4-i5」は、14型液晶を搭載するモバイルノートだ。mouse X4シリーズにはCPUの違う3モデルがあり、AMD製のRyzenか、インテル製のCorei5やCore i7を選べる。最も安価なのはRyzenモデル(税別7万9800円~)だが、バッテリー駆動時間がカタログ値で9.4時間と短いのが気になる。そこで、Core i5モデルであるmouse X4-i5を評価した。こちらの駆動時間はカタログ上で12時間だ。

mouse X4-i5 マウスコンピューター
直販価格8万9800円(税別、下記構成例の場合)
●サイズ/幅320.2×奥行き214.5×厚さ17.5mm
●重さ/1.13kg
●CPU/Core i5-10210U(1.6GHz)
●メモリー/8GB
●SSD/256GB
●液晶画面/14型(1920×1080ドット)
●バッテリー駆動時間/12時間
注)送料は3000円(税別)。同社の直販ショップで購入すると送料がかからない。

 税別8万9800円という価格は、同じ14型でCore i5を搭載するVAIOの「VAIO SX14」(実勢価格17万6800円・税別)など国内ブランド製品と比べるとかなり安く見える。マウスコンピューターでは、国内で組み立て、通販を主体にして在庫を減らすことで価格を抑えているという。ただし、レノボ・ジャパンや日本HPなど外資メーカーの方が構成によっては安価になり、最安値というわけではない。

 mouse X4-i5の実物を見るまでは、税別8万9800円という価格から「安いからそれなり」だろうと予想していた。安価なモバイルノートは、質感が安っぽいか、質感が良くても重いことが多い。ところがその予想は、いい意味で裏切られた。

 液晶画面の部分は、画面周囲の“額縁”が狭いデザインを採用。これによりフットプリント(底面積)が小さくなり、かばんへの収まりやすさは上々だ。最近のモバイルノートでは、13.3型とほぼ同じ本体サイズに14型画面を収めた製品が増えているが、そのトレンドにしっかり乗っている。

 重量も1.13kgとなかなか軽い。これまで大手国内メーカーの十八番だったマグネシウム合金が外装に使われているからだ。安価なアルミニウム合金に比べて100~300g程度は軽くなる。マグネシウム合金は加工や設計が難しく、粗悪な製品ではパーツ間のすき間が目立ったり、剛性が不足してたわんだりするが、mouse X4-i5にそうした問題点は見当たらない。

mouse X4-i5の「ここは良い!」

低価格ながら狭額縁タイプの画面
低価格ながら狭額縁タイプの画面
左右の黒枠は幅4.6mm
価格の割に軽量
価格の割に軽量
カタログ値で1.13kg

 持ち歩くパソコンでは、堅牢性の高さも気になるが、同社では落下や加圧などのテスト結果を公表していない。ここが、大手メーカーのモバイルノートと大きく違う点だ。もちろん、テスト結果を公表していないから壊れやすいとは限らないが、ラフに扱いたいときには不安が残る。

 なお、同社はCMなどで「国産」を強調しているが、これは海外で設計・製造されたパーツを国内で組み立てているという意味で、パナソニックのように基板まで国内で作るわけではない。一方で、製品の企画・開発は日本で行っているという。

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