Zoomで英語会議をする際に相手の発言をいかに迅速かつ正確に把握するのか。ヒアリング力の向上はもちろんだが、最近ではAIの書き起こしのツールや機能を利用できるようになった。どのような用途にどこまで使えるのか。シリコンバレーの著名通訳者であるミッキー・グレース氏が実体験を基に解説する。
10回に渡る連載にお付き合いくださいまして、まことにありがとうございました。番外編では、今話題になっている書き起こし(transcription)について、さまざまな使い方をご紹介したいと思います。
書き起こしはツールとして単体で提供されていたり、ビデオ会議サービスに機能として入っていたりします。ここでは総称して「書き起こしツール」と呼びます。その利用例としては、以下のようなものが考えられます。
- (1)会議の議事録作成の際、聞き取れなかった場所を確認する。
- (2)ディスカッションの主要ポイントやキーワードが使われた場所を検索する。
- (3)文字を見ながら聞き取り練習をする。
- (4)自分の発音に問題がないかの判断に使う。
- (5)ウェブサイトやマーケティング用途などの動画に字幕を付ける。
いろいろな用途がある書き起こしツールですが、AI(人工知能)の発達と大量のデータに基づく開発によって、聞き取り性能がかなりよくなってきています。ツールは無料で使えるものも少なくありません。
例えば、クラウドサービスの「Otter」という米オッターAI(Otter.ai)が開発するツールは、無料で使うことができます。パソコンなどのスピーカーからビデオ会議時の音声を聞かせることで活用できます。有料版では音声ファイルをアップロードすることでも書き起こしが可能です。
ここまで紹介してきた「Zoom」や「WebeX」、「Teams」などのビデオ会議サービスにも、録音とともに書き起こしの機能が実装されています。なお、録音や書き起こしファイルを作成するための設定や条件については、各サービスの説明を参照してください。
聞き取りの正確度合いはツールを選択する際の重要な評価ポイントです。その他に気を付けるべき点について、利用例ごとに掘り下げてみましょう。
書き起こしツールとともに録音を
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