新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本でも「Zoom」に代表されるビデオ会議サービスを利用した、ミーティングの利用が急速に広まっている。ビデオ会議の際に注意すべき点は何か。米シリコンバレーの著名会議通訳であるミッキー・グレース氏に10回連載で、ビデオ会議の際の英会話のこつを伝授していただく。(市嶋 洋平=シリコンバレー支局長)

(写真/Shutterstock.com)
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 皆さん、はじめまして。ミッキー・グレースです。私は1982年に渡米し、シリコンバレーを拠点に30数年、会議通訳の仕事をしています。また大学や企業での英語研修講師も務めています。

 私のバックグラウンドはヘルスケアで、臨床看護師から転向したリケジョ会議通訳です。それもあってサイエンスや技術系分野の同時・逐次通訳を得意としており、シリコンバレーで仕事をしているうちに、テクノロジーやITの分野ではエンジニアと勘違いされるほど知識や経験が豊富になってきました。多くの顧客企業の方から、「空気を読んだ、行間まで伝える自然な通訳」と言っていただいています。

ミッキー・グレース氏
ミッキー・グレース氏

 航空宇宙の分野の仕事も多くこなしています。例えば、通信衛星や気象衛星のプログラム通訳のほか、米航空宇宙局(NASA)の地球観測プログラムASTERを1991年から担当し、2018年にはNASAから感謝状を頂きました。

 一番印象に残っている通訳業務は、米アップルの故スティーブ・ジョブズ氏とある日本企業との契約交渉です。トレードマークの黒のタートルネックにブレザーで登場し、本人自ら条件を提示。しかもかなり強気の条件でした。さすがに「Take it or Leave it」とは言いませんでしたが、交渉の余地なしという態度で彼の自信の強さを実感した場面でした。

 もう1つ、フランス領ギアナにある欧州宇宙機構(ESA)の射場における通信衛星打ち上げの実況中継も印象深かったです。

 カウントダウンが始まるまではテクニカルコメンテーターによるこの衛星についての技術的な解説を同時通訳し、日本で打ち上げを見ている関係者に伝えます。そして60秒前のカウントダウンが始まると、管制室でのやりとりを同時通訳しました。5年にわたる調達や開発期間の通訳も担当していた衛星でした。自分でも感動で声が震えていたのを今でもはっきりと覚えています。

 英語上達の秘訣(ひけつ)は、広く浅く何にでも興味関心と好奇心を持ち、母国語と言葉が好きになることです。現在、シリコンバレー英語勉強会を主宰しており、3月中旬からの外出自粛期間中は情報交換会をかねてウェブ会議形式で実施しています。連載講座の内容はその会でのやりとりも参考にしています。

 米国だけでなく、日本でも出張自粛、在宅勤務の推奨により、インターネットのビデオ会議を利用する機会が増えてきました。ひと昔前の電話会議と異なり、送られてきたリンクをクリックするだけで会議に参加できるようにもなりました。相手の顔が見えるだけでもだいぶ話が通じやすいと感じている方々も少なくないのではないでしょうか?

 今回は、こうしたビデオ会議で使える便利な表現集をまとめてみました。

 ビデオ会議と一口に言っても、社内会議なのか取引先も参加する会議なのか、同じ社内会議でも部署内の会議なのか他部署も参加するのか、インフォーマルな会議なのかシリアスな会議なのかによっても言葉遣いが変わってきます。さらには、自分がホスト役なのか否かによってもよく使う表現が異なります。

“行方不明者”を見つけるフレーズ

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