試合なきスポーツ界で「投げ銭」急浮上 デジタルで熱意を見える化(画像)

東京五輪・パラリンピックをはじめ、大会や試合の中止または延期に見舞われているスポーツ界。そんななか、伸びているのが「スポーツギフティング(投げ銭)」だ。サービスを運営するエンゲート(東京・渋谷)でのギフティング総額は2020年3月以降、前年同月比約5倍に。その本質はデジタル化による熱意の見える化だった。

エンゲート上であらかじめポイントを購入し、好きな選手やチームに“投げ銭”として贈ることができる
エンゲート上であらかじめポイントを購入し、好きな選手やチームに“投げ銭”として贈ることができる

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 新型コロナウイルスの感染拡大で3密回避のために物理的接触を減らすことが求められている中、さまざまな分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進み始めた。このDXによって生活者の行動スタイルはどう変わり、企業側の打ち手はどう変わるのか。流通、医療、教育、アパレル、スポーツなど各分野のデジタル活用の先端動向を紹介する。

 エンゲートは、2018年にスタートした前払い式のSNS型スポーツギフティングサービス。あらかじめポイントを購入し、好きな選手やチームに“投げ銭”として贈ることができる。

 ギフティングは10ポイント(1ポイント=1円)から。SNS型をうたっている通り、試合中だと「ナイスシュート!」、試合後だと「ナイス勝利!」などとメッセージとともにギフティングすることも可能だ。サッカーJリーグのセレッソ大阪や水戸ホーリーホックをはじめ、バスケットボール男子Bリーグのチームなど36チームが同サービスと契約している(20年6月12日時点)。

 大規模イベントの自粛要請でギフティング最大の機会である試合や大会などのスポーツイベントが中止・延期になるなか、各チームはエンゲートのサイト内でライブ配信イベントなどを実施。人気選手やGMなどの運営側も参加し、過去の試合を振り返るなどの内容を配信している。「週1回ペースでライブ配信を行うチームもある」と、エンゲートの城戸幸一郎社長。こうした動きにファンも賛同し、同社も決済手数料(5%)を除く全ての収益をギフティングされたチームに還元することを発表(6月末までの予定)。それらの結果が冒頭の前年同月比約5倍という数字に表れているのだ。

 ギフティングしたポイントが多いユーザーには選手とのミーティングイベントや撮影会の参加券、選手によるオリジナルのビデオメッセージなど、チームごとの特典も用意する。Bリーグの横浜ビー・コルセアーズは20年3月にギフティング総額が月100万ポイントを超えた。同じくBリーグの三遠ネオフェニックスに所属する川嶋勇人選手はギフティングへの返信を積極的に行い、3月1~20日に約1万8000ポイントだったギフティング額が3月21日~4月10日には約15万3000ポイントと約9倍となり、4月11~30日には約30万ポイントとさらに約2倍になったという。各チームにはエンゲートのサポート担当者がつき、他チームの成功事例を共有するなどしてギフティング総額の底上げを図っている。

試合が中止・延期になるなか、各チームはエンゲートのサイト内でライブ配信イベントなどを実施
試合が中止・延期になるなか、各チームはエンゲートのサイト内でライブ配信イベントなどを実施
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