
「Zoomの最大の弱点の1つが、何人集まったとしても常に1人しかしゃべっていられないこと」と楽天大学学長の仲山進也氏。FacebookやGoogleドキュメントなど、非同期コミュニケーションツールをうまく活用してコミュニケーション量を最大化することが活性化のコツだと言う。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、急成長したサービスといえば米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのオンライン会議システム「Zoom」だ。従来は企業向けの会議システムにすぎなかったが、「Zoom飲み」という言葉が生まれるなど、一般消費者にも浸透した。ファンミーティングやオンライン接客など、企業にとってもZoomは顧客コミュニケーションの手段として広がりつつある。果たしてZoomは新たなマーケティングプラットフォームとして定着するのか。
第3回のテーマは第2回に引き続き、「Zoom の活用はECやマーケティングの強化につながるか」。 20年にわたって数万社の中小・ベンチャー企業を支援してきた、楽天市場出店者向けの学び合いの場「楽天大学」の学長を務める仲山進也氏へのインタビューの後編をお届けする。
【第2回】Zoomは魔法じゃない マーケ活用には客同士の交流促進がカギ
【第3回】Zoomと組み合わせて使うべきツールは 楽天大学・仲山学長が語る←今回はココ
【第4回】焼肉コースをZoomで再現 参加者の5割がリピート購入する訴求力
【第5回】「あと一押し」に効く驚きのZoom接客 メールやLINEに勝る点は?
【第6回】Zoomマーケが抱える4つの弱点 ツール連携で見込み客育成も
【第7回】招待制カレー店が踏み切ったオンライン化 「Zoom卒業」の理由
【第8回】プリンスホテル内でファンがつながるZoom観戦 自宅にない連帯感
仲山 コミュニケーションの形を「多人数か少人数か」「同期か非同期か」の2軸で考えるのも有益です。そもそもネットの特徴の1つに「非同期コミュニケーションがやりやすい」というのがあるんです。
仲山 Zoomや電話のように、同じ時間を共有しながらコミュニケーションをするのが同期。それに対し、メールなど、書いた時間と読まれる時間が異なっているのが非同期です。
コミュニケーションの量という視点で考えてみると、リアルのお店での接客は同期コミュニケーションだから、1人のお客さんに1時間対応したら、1人分のコミュニケーションしか生まれません。それに対して、お店の人が接客のときにしゃべっていることをネットショップの商品ページに書き、1000人がアクセスして読んでくれれば、1000人いっぺんに接客できることになる。これがネットの非同期コミュニケーションの強みです。
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