
全16回
コンタクトレス・エコノミーがやってくる
新型コロナウイルスは将来にわたり、社会やビジネスに影響を与えていく。接触を避けつつ生活やビジネスを継続できる「コンタクトレス・エコノミー」が当たり前の世界になってくる。今必要なテクノロジーは何か。普及に向けた課題は何か。スタートアップがぞくぞくと生まれ、試行錯誤を繰り返すシリコンバレーや米国ではその解が見え始めている。日経BPの米シリコンバレー支局から最新動向をお伝えする。
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第1回2020.05.26「非接触エコノミー」が到来、米国発・コロナ時代の新技術2020年、人類そして企業は大きな岐路に立たされた。新型コロナウイルスの感染拡大によって、人が集まったり移動したりするビジネスはその前提が覆された。そして必要不可欠になったのが非接触で、安全に品物やサービスを提供するコンタクトレス(非接触)・エコノミーである。シリコンバレーをはじめとして米国では、スタートアップなどが新たなテクノロジーでコロナ禍に対応しようとする動きが急だ。
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第2回2020.05.28配送ロボがシリコンバレーの街中を快走、非接触経済の要に人との接触を避ける「コンタクトレス」配送や省人化に向けて、シリコンバレーやサンフランシスコのスタートアップが、自動運転による配送サービスを本格化している。人件費の削減が大きな目的を占めていたが、コロナ禍とそれに伴う外出制限による食料品や医薬品などの配送需要の急激な高まりで、活発化している。
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第3回2020.06.02大手も参入し離陸するドローン配送、医薬品や食料品を直送コロナ禍による外出制限措置により、食料品や医薬品などの配送に対する需要が急激に高まった。その結果、米国では自動運転車による「コンタクトレス」配送サービスが本格化してきた。その動きは、空にも及ぶ。ドローンで荷物を運ぶ動きも活発化し始めている。商品を注文し、ドローンが自宅まですぐに届けてくれる。そんな光景が、米国で当たり前になる日が近づいている。
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第4回2020.06.04ウォルマートvsアマゾン、あるゆる手を尽くし非接触を実現新型コロナウイルスの影響で、米国では2020年3月中旬から自宅待機命令が出されている。そうしたなかでも外出が許可されているのが食料品の買い出しだ。米ウォルマートや米アマゾン・ドット・コムなどの大手は、感染回避に向けてソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保する一方で、店舗での非接触テクノロジーの採用に乗り出している。
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第5回2020.06.09小売店やeコマースでロボット需要が急増、唐揚げも難なくつかむ新型コロナウイルスの影響で、米国では2020年3月中旬から自宅待機命令が出されている。こうしたなかでも食品スーパーなど生活を支える小売業は営業を継続しており、eコマースの事業者も倉庫や配送拠点で奮闘している。そうしたエッセンシャル(必要不可欠)なビジネスを支える、スタートアップのロボットやドローンの需要が急増している。
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第6回2020.06.11進化する紫外線の殺菌テック、シェアカーや床掃除ロボに導入新型コロナや将来やってくるであろう新たな感染症の拡大防止に向けて、テクノロジーを総動員して、「コンタクトレス(非接触)社会」に移行しつつある米国。それでもすべてを非接触化することはできない。そこで今、米国で注目を集めているのが、人の手や靴が触れる部分を殺菌・消毒する技術だ。「深紫外線」と呼ばれる、紫外域の中でも波長が非常に短い光による殺菌技術が脚光を浴びている。
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第7回2020.06.15接触なし清潔トイレサブスク、トイレ・アズ・ア・サービスも展開米国の都市ではセキュリティーからトイレを気軽に利用するのが難しく、さらに清潔なトイレも少ない。そうした課題をテクノロジーで解決し、ほぼコンタクトレスで清潔なトイレを利用できるサービスが現れた。一方で接触しても清潔な紫外線の活用は、コンシューマー製品にも広がっている。
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第8回2020.06.18ニューノーマル時代のIoTホーム、シリコンバレーで完成ニューノーマル(新常態)時代の家はどうなるのか。日本人による住宅スタートアップが一から考え尽くした家が、シリコンバレーで完成した。デザインや設計と、IoTやAIのテクノロジー開発を一体で進める次世代型住宅のコンセプトがコロナ禍や新常態に合致した格好だ。米テスラの電気自動車のように、機能やサービスが進化し続けるのも特徴だ。
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第9回2020.06.25先進技術でニューノーマルの医療が進化 鍵は非接触と未来予測新型コロナウイルスに対応し最前線で奮闘しているのが医療従事者である。米国では彼ら彼女らを支援するため、非接触かつ遠隔から、患者の診断や状態の確認ができるデバイスやサービスの導入が急速に進んだ。ニューノーマル(新常態)の生活に向けて、非接触技術の導入に加えて、患者や新型コロナの感染状況のビッグデータを分析し、先回りする取り組みも始まった。
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第10回2020.07.01アップルもVRに積極投資、一変する芸術や音楽イベントニューノーマル(新常態)でデジタルコンテンツはどのように変わり、人はどう対話していくようになるのか。AR/VR/MRのいわゆる「xR」の普及で、あらゆるものがデジタル化されいく。GAFAなどテクノロジー大手が積極投資し、5Gなどの新たなテクノロジーによってヘッドセットの軽量化も急速に進んでいる。
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第11回2020.07.03ニューノーマルのUIは音と電波で進化、考えるだけで家中操作!?ニューノーマル(新常態)では、どのようにして身の回りのものを操作するようになるのだろうか。増え続ける電子機器をコンタクトレスで清潔かつ便利に操作するための新たな提案が相次いでいる。これまで注目されていた車内など外出先での操作に加え、滞在時間が増えた家でのさまざまな機器のコンタクトレス操作が実現されようとしている。
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第12回2020.07.09家の中のフィットネス市場が沸騰、アップルはWatchで睡眠支援も新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの人々が家庭内にとどまることを余儀なくされた。その結果、宅内でのフィットネスサービスの市場が急拡大し、米アップルもスマートウオッチのフィットネス支援機能を大幅に強化する。リラックスなど精神の安定を支援するサービスも好調だ。
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第13回2020.07.15ラーメン自販機も新常態、ギョーザはIoTで栄養パーソナライズ新型コロナウイルスの感染拡大で、米国では多くのレストランが閉鎖に追い込まれた。自宅待機を強いられた人々の最大の娯楽は日々の食事となった。そうした中、コロナ禍やニューノーマル時代への対応で、外食業界は新たな工夫を次々と実行に移し始めている。
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第14回2020.07.21拡大するZoom経済圏、エバーノート創業者も参戦新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない状況で、ビジネスパーソンや学生の自宅待機が長引いている。こうしたなか急激に利用が伸びたのがビデオ会議サービスのZoomだが、関連する経済圏が拡大している。大型イベントの開催が極めて難しい状況下、どのようにして従来同様のサービスを提供するのか、オンラインならではの価値を提供できないのか。模索が始まった。
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第15回2020.07.28ウォルマートがコロナ禍に導入検討、発注条件ネゴし契約するAI新型コロナウイルスの感染拡大で多くのビジネスパーソンが自宅からの勤務に移行した。こうしたなかで活用が進むのが、非接触での業務の遂行である。AI(人工知能)を活用することで、接触を避けながら業務を継続できるようにしている。ウォルマートもデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環で、発注業務にAIの導入を検討している。まさにニューノーマル時代である。
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第16回2020.07.31Zoomで不可能なことを可能にするプロダクトとは リービン氏直撃米エバーノート創業者で元CEOのフィル・リービン氏が、ビデオ会議の新サービスを公表した。Zoomと連携して、ニュースキャスターのような効果的なプレゼンテーションを可能にする。まさにニューノーマル(新常態)に対応するためのプロダクトを絶妙のタイミングで投入したリービン氏が単独インタビューに応じた。