
新型コロナウイルスの影響で、米国では2020年3月中旬から自宅待機命令が出されている。こうしたなかでも食品スーパーなど生活を支える小売業は営業を継続しており、eコマースの事業者も倉庫や配送拠点で奮闘している。そうしたエッセンシャル(必要不可欠)なビジネスを支える、スタートアップのロボットやドローンの需要が急増している。
感染リスクにさらされているのは、顧客だけではない。朝から晩まで働く従業員こそ大きなリスクにさらされている。ウォルマートは店内の陳列状況を数時間でチェックするロボットを既に導入済みだ。在庫の有無や、価格の設定などをチェックする。床の汚れなども検出できる。こうしたロボットによる店内作業の代替は今後一般的になっていくだろう。
棚をレールで行き来する小型ロボ
店舗が広い米国市場をターゲットに、在庫確認のロボット分野に多くのスタートアップが参入している。
米スペーシーは店内棚の商品の状況をチェックする小型ロボットを開発している。棚の最上段などに専用の「レール」を設置。その中をカメラ搭載の小型ロボットが行き来するという仕組みだ。通路を挟んで向かい側の棚や床をチェックできる。
例えば、15分おきに撮影して、画像認識で不足している商品を把握。店員に補充や発注を促せる。ラベルや値札付けの間違いを検出したり、床の汚れなども把握したりできる。
スペーシーは元々AI(人工知能)を活用した画像処理に強みを持つ。レールやロボットとともに、商品を認識するためのシステムなども合わせて提供する。「棚への設置は1人の作業で容易に導入でき、コストが低い。小型ロボットのハードの更新が必要な際も、郵送で送るだけだ」(説明員)と優位点を説明する。
コストはハードやソフト、サポートなど全て含んで、棚に設置する1フィート(約30cm)当たり1カ月0.89セント以下で利用できるという。
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