SDGs 廃棄物から価値を生む

ビニール傘は使い捨てが当然のような風潮を変えようと、ビニール傘に新たな価値を与える取り組みを続けているのがサエラ(東京・港)だ。すべてのパーツがプラスチック製のビニール傘「+TIC(プラスチック)」を2017年に発売。「セブンーイレブン」も取り扱いを開始した。

前回(第6回)はこちら

すべてのパーツがプラスチックでできたビニール傘「+TIC(プラスチック)」(3500円、税別)。デザインは柴田文江氏が手掛けた。写真の「カラーライン」は無地に見えるが細いボーダー柄で、5色のカラーバリエーションがある。このほかタータンチェックなど5種類の柄がある(写真提供/サエラ)
すべてのパーツがプラスチックでできたビニール傘「+TIC(プラスチック)」(3500円、税別)。デザインは柴田文江氏が手掛けた。写真の「カラーライン」は無地に見えるが細いボーダー柄で、5色のカラーバリエーションがある。このほかタータンチェックなど5種類の柄がある(写真提供/サエラ)

 「+TIC(プラスチック)」は金属を使っていないので錆びず、それでいて風速15メートルの強風に耐えられる頑丈さを備えている。

 パーツは簡単に分解でき、生地が破れても簡単に張り替えられる。スペアの生地も別売りで用意している。メンテナンスしながら長く使い続けることができる。簡単に分解できる構造は使用後のゴミの分別の負荷を減らし、すべてプラスチックなのでリサイクルも容易だ(実際の生地素材はポリエチレン)。

傘を開いた状態。一般の傘にある「ハジキ」と呼ばれる三角形のストッパーがない。プラスチック製の骨のテンションだけで開いた状態と強度を維持(写真/名児耶 洋)
傘を開いた状態。一般の傘にある「ハジキ」と呼ばれる三角形のストッパーがない。プラスチック製の骨のテンションだけで開いた状態と強度を維持(写真/名児耶 洋)
閉じた状態の手元の部分。一般の傘では、こちらにもハジキがあって、不用意に開くのを防いでいるが、この傘では軸の灰色のリングと、「ロクロ」と呼ぶ円筒状パーツの内側がかみ合うことでストッパーになる。摩耗や変形に対しては十分な耐久性があるという(写真/名児耶 洋)
閉じた状態の手元の部分。一般の傘では、こちらにもハジキがあって、不用意に開くのを防いでいるが、この傘では軸の灰色のリングと、「ロクロ」と呼ぶ円筒状パーツの内側がかみ合うことでストッパーになる。摩耗や変形に対しては十分な耐久性があるという(写真/名児耶 洋)
先端の「石突き」(キャップ)と防水パッキングは、ねじ式で簡単に取り外せる(写真/名児耶 洋)
先端の「石突き」(キャップ)と防水パッキングは、ねじ式で簡単に取り外せる(写真/名児耶 洋)
骨は弾力があり大きく曲げても折れないので、「露先」(傘の骨の先端のキャップ)を簡単に取り外せる。すべての露先を外せば生地を交換可能(写真/名児耶 洋)
骨は弾力があり大きく曲げても折れないので、「露先」(傘の骨の先端のキャップ)を簡単に取り外せる。すべての露先を外せば生地を交換可能(写真/名児耶 洋)
骨もすべて簡単に取り外せる(写真/名児耶 洋)
骨もすべて簡単に取り外せる(写真/名児耶 洋)

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