
2018年末から楽天が展開中のECサイト「EARTH MALL with Rakuten」が好調に推移している。SDGs(持続可能な開発目標)への貢献を狙い、扱う商品は環境や人権に配慮した国際認証を取得したものばかり。環境意識の高い顧客層に支持された。担当する小林正忠常務執行役員に今後の方向などを聞いた。
楽天 常務執行役員
共同創業者、 チーフ・ウェルビーイング・オフィサー
【第2回】 コロナ禍でフードシェアリングが急成長 食品ロスを成長市場に
【第3回】 ごみから服を作るブランド auや吉野家の広告も前代未聞の再利用
【第4回】 売れ残り品をデザインで生かす 年25%成長のビジネスモデルとは
【第5回】 楽天SDGs専門モールが急成長、独自記事で利用者の啓発も推進
【第6回】 ビニール傘が質感豊かなバッグに 日本の職人技でSDGs貢献
【第7回】 セブンでも販売 1000円の「長く使えるビニール傘」が変革生む
【第8回】 廃棄野菜で作る染料をコンバースが採用 アパレルで食品ロス対策
【第9回】 アパレル廃棄問題に妙手 ブランドタグ付け替えでWinーWin
【第10回】 累計12万セットのヒット 野菜の廃材から「おやさいクレヨン」
2018年11月29日にオープン後、約1年半経過したEARTH MALL with Rakutenの現状を教えてください。
EARTH MALL with Rakutenでは、FSC(森林管理協議会)やMSC(海洋管理協議会)といった国際機関の認証を取得した商品をはじめ、原料や製造の過程などで環境や社会に配慮した商品だけを紹介しています。当初の商品点数は7000点しかありませんでしたが、20年5月末には3万点以上に増えています。プレオープンした18年4月~19年3月までと19年4月~20年3月までの期間を比較すると、お客さまの来訪も初年度に比べて5.3倍に拡大し、売り上げは50%増となりました。
楽天市場の数字は開示していませんが、楽天市場や楽天トラベルなどのサービス・事業を含む19年の「国内ECの流通総額」は3.9兆円で、伸び率は前年度比13.4%増でした。これに比べるとEARTH MALL with Rakutenの規模は小さくとも、伸び率は大きくなっています。売り手も買い手もサステナビリティーに対する意識が、明らかに高まってきていると感じます。
サイトを作った理由は?
EARTH MALLという用語やコンセプトは当社のオリジナルではなく、SDGsに関する変革とイノベーションを創出することを目的とした有識者のプラットフォーム「OPEN 2030 PROJECT」から生まれた社会適用プログラムの名称です。同プラットフォーム代表を慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史教授が務め、具体的な社会適用への推進を博報堂が担っています。当社も同プラットフォームの考え方に大いに共感し、サステナビリティーに向けた商品を扱うECサイトを立ち上げることで支援したいと思いました。そこでEARTH MALL with Rakutenと名付けたのです。
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