「SDGs(持続可能な開発目標)」に注目が集まる前から、“ものを長く使う”ことをテーマに事業展開してきたD&DEPARTMENT PROJECT。SDGs特集の第4回は、全国の繊維産地と協力し、「デッドストック(売れ残り)」を「ライフストック(生きた在庫)」に変えようという取り組みを紹介する。

前回(第3回)はこちら

全国の繊維産地から集めた布地のデッドストックで作ったバッグの数々(写真提供/D&DEPARTMENT)
全国の繊維産地から集めた布地のデッドストックで作ったバッグの数々(写真提供/D&DEPARTMENT)

 日本の繊維産地にある機屋の倉庫には、布地のデッドストックが大量に保管されている。デッドストックの多くが、サンプルとして作ったり、流行が過ぎて売れ残ったりしたものだが、まだ「使える在庫」だという。だが、そのほとんどが市場に出回ることはなく、廃棄されていく。

 そんな布地のデッドストックを再利用し、デザインを加えて新たな価値を生み出しているプロジェクトがある。ロングライフデザインをテーマに活動するD&DEPARTMENT PROJECT(以下、D&DEPARTMENT)が2014年に立ち上げた「FROM LIFESTOCK(フロムライフストック)」だ。「ライフストック」とは、「生きている在庫」の意味。デッドストックの反対語として、D&DEPARTMENT代表のナガオカケンメイ氏による造語である。

機屋の倉庫に保管されている布地のデッドストック(写真提供/D&DEPARTMENT)
機屋の倉庫に保管されている布地のデッドストック(写真提供/D&DEPARTMENT)

産地と連携したものづくり

 フロムライフストックの独自性は、単に廃棄物の削減だけを目的とした活動ではないことだ。D&DEPARTMENTが目指すのは、繊維産地の活性化につなげること。廃棄するしかなかった布地を「オリジナリティーのある布地」として見立て、生活の身近なアイテムにして販売することで、日本の繊維技術の素晴らしさを伝えていこうという考えだ。

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