
ヒットの黄金律
この世の中は、新製品や新サービスで満ちあふれている。ホームラン級の人気を集めたりロングセラーとなって愛され続けたりする一方で、鳴かず飛ばずで残念ながら市場から“退場”させられるケースも少なくない。では一体、ヒットするか否かの境界線はどこにあるのだろうか。そこで日経トレンディ編集部は、総力を挙げて「今まさに売り上げが激増して話題沸騰中の新製品」や「近々ブームの端緒を高い確率でつかむであろう期待の新サービス」などを取材。ヒットを生み出す「ゴールデンルール(黄金律)」をあぶり出す
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2021.02.174気筒復活!「Ninja ZX-25R」でカワサキが軽二輪シェアを倍増川崎重工業が2020年9月に発売したスーパースポーツバイク「Ninja ZX-25R」が、約4カ月で年間販売目標を超える5400台を受注し、同社の軽二輪シェアを倍増させた。13年ぶりに「250cc・4気筒エンジン」を開発し、大型バイク向けの機能を惜しみなく注ぎ込む高級路線で、シニア層と若者の両方を捉えた。その開発戦略を聞いた。
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2021.02.16なぜ2分40秒? ブラックアニメ「モルカー」異常なヒットの理由羊毛フェルトのキャラクターを使ったストップモーションアニメ「PUI PUI モルカー」(テレビ東京系)が快進撃を見せている。朝7時半からという早朝の放送枠、2分40秒という短さにもかかわらず、最新話の放送後には毎回Twitterでトレンド入りをし続け、YouTubeの見逃し配信では再生回数が380万回を超える回もある。大人も巻き込み、人気が拡大する理由に迫った。
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2021.02.02SNS発で爆発ヒット! メイク発想から生まれたKATEの小顔マスク流行開始から1年を迎え、まだまだ収束時期の予測すらつかないコロナ禍。閉塞感のあるマスク生活の中、メイクの楽しみを奪われた女性たちのオシャレゴコロに、「マスクで小顔メイク」という火を灯したのが「ケイト マスク」だ。2020年末の発売直後からSNSで話題となり、約1週間で完売したという。そのヒットの理由を探った。
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2021.02.01コロナ禍でも150%成長 新興コスメブランドSHIRO、ヒットの秘密コロナ禍でマスク着用を余儀なくされる中、2020年は化粧品の需要が低迷。業界全体に逆風が吹き荒れたが、それでも20年3~12月の売り上げが前年同期比150%超を記録したのがSHIROだ。巨大メーカーがひしめく化粧品業界で、なぜ独立系ブランドが驚異の伸びを見せたのか。その秘密を探った。
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2021.01.29話題の「Clubhouse」になぜハマる 起業家たちが語る“中毒性”米国発の音声SNS「Clubhouse」のブームが、日本にも飛び火している。米Alpha Explorationが2020年に開始したサービスで、テキストや動画ではなく、声で複数人とリアルタイムに雑談できる点に特徴がある。
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2021.01.27“撮れる望遠鏡”のキヤノン「PowerShot ZOOM」 好発進のワケクラウドファンディングサイトのMakuakeで応募購入総額3000万円突破の最速記録をたたき出した、“撮れる望遠鏡”こと「PowerShot ZOOM」(キヤノン)が2020年12月に一般販売を開始。好スタートの売れ行きで、カメラジャンルで久々のヒット商品に成長しそうな勢いを見せている。
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2021.01.19300万台売ったスマホ「AQUOS sense」が狙う次の市場シャープは2020年9月に、同社のAndroidスマホ「AQUOS sense3」が約1年間で300万台を販売したと公表した。AQUOS senseシリーズがここまで大きく育ったのは、「必要十分」のコンセプトで作った低価格スマホに、「大容量バッテリー」という訴求ポイントを加えた商品開発の妙があった。
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2021.01.15KDDIが本当に最安? ドコモ「ahamo」など低価格プラン4社比較KDDIがスマホ料金の新プラン「povo(ポヴォ)」を発表し、通信4社の低価格プランが出そろった。KDDIは他社より500円安い月額2480円の設定が目を引くが、実は通話の“かけ放題”が含まれないというからくりがある。各社の料金・サービスの違いと、注意点をチェックした。
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2021.01.13Kyashでポイント“3重取り”が可能に d払い連係で計2.7%還元“お得好き”に人気のあるプリペイドカード「Kyash Card」が最近、仕様の変更を相次ぎ実施した。利用時のポイント付与対象となる月間上限額については一部引き下げられたものの、本人認証サービスの3Dセキュアに対応したことで、さらに得する道が開けた。クレジットカード、スマホ決済と上手に組み合わせ、還元率は計2.7%になる。
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2020.12.23なぜ爆売れ? タカラトミー「ボトルマン」の発売前マーケ戦略ペットボトルのキャップが“弾”になり、トリガーを引くと飲料をモチーフにしたキャラクターから発射される。奇抜なアイデアを打ち出したタカラトミーのシューティングホビー「キャップ革命 ボトルマン」が、発売2週間で出荷分の8割を消化。20年12月に入っても品薄状態が続いている。
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2020.12.21日本初「糖質ゼロビール」売れ行き好調 超難解パズルを解いたキリンビールとして、日本で初めて「糖質ゼロ」を実現した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が好調な滑り出しを見せている。2020年10月の発売から1カ月で100万ケースを販売し、12月17日には当初設定した年間販売目標120万ケースを大きく上回る160万ケースを達成。最需要期の12月下旬に向けてさらに売れ行きに弾みが付きそうだ。酒税改正という絶妙のタイミングを狙い、しかも看板ブランドを背負わせて投入した超大型商品。その誕生物語を追う。
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2020.12.16スマホのモバイルオーダー キャンペーンで得するチャンス拡大中スマホを使って事前にテイクアウトの注文を入れておき、目安の時間になったら店舗で受け取る――。そんな「モバイルオーダー」が普及し始めている。LINEやPayPayなどが市場に参入し、最近ではどのサービスでもお得度の高いキャンペーンを行うなど競争が激化。好機を生かしてどう活用すべきか、テイクアウトに対応する主な6つのサービスを比較した。
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2020.12.03科学マンガ「Dr. STONE」がヒット 「読ませる戦略」を原作者らに聞く週刊少年ジャンプ(集英社)の科学をテーマに扱うマンガ「Dr. STONE(ドクターストーン)」がヒットしている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校中に注目が集まり、2020年3月度(3月2日~4月5日)のオリコン調べでは42.5万部の売り上げ。1巻発売から現在までに累計発行部数800万部以上を達成した。なぜ、今科学なのか、徹底した「読ませる」戦略を、原作の稲垣理一郎氏と科学監修を担当するくられ氏に聞いた。
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2020.09.28世界初!電池不要の自転車用アシストギア 踏み込む力を推進力に2020年10月、脚の負担を減らしてこげる今までにない国産自転車が登場する。世界初となる新型クランクを搭載した自転車「Root One」がそれだ。サイクルオリンピック(東京・国分寺)が開発した。ショートクランクと、ギアに内蔵されたシリコンの反発力を推進力にするという世界初の革新的なギアクランクシステムが自転車業界の歴史を変えようとしている。
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2020.09.28「Go Toイート」、食事券とネット予約はどっちが有利?「Go Toイートキャンペーン」が、2020年10月にスタートする。新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けている飲食業界を支援する国の施策で、お得な食事券を発行したり、ネットで食事の予約をした人にポイントを付与したりするものだ。消費者は経済メリットを得て食事を楽しむと同時に、飲食店の応援もできる。
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2020.09.23ビックカメラ三越、好調で1.7倍に増床 販売員のご用聞きに成果新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦戦する小売店が目立つ中、2020年2月に日本橋三越本店にオープンした「ビックカメラ 日本橋三越」が大健闘している。緊急事態宣言明けの6月には、計画を2割上回る売り上げを達成。オープン7カ月後の9月18日には1.7倍に増床した。成功の鍵は、ビックカメラの流儀を一部改め、百貨店の販売スタイルを採り入れたことにある。
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2020.09.14絶好調キリン「本搾り」 17年がかりの熱烈ファン獲得戦略実るキリンビールの缶チューハイ「本搾り」が、2020年1~6月に上半期としては過去最高となる約670万ケースを販売するなど好調だ。03年に登場したロングセラー製品は、香料や酸味料、糖類を使わずに果汁とお酒だけでつくる無添加製法を業界で初めてチューハイで実現したのが特徴。ストロング系でもない、居酒屋向けブランドでもないこの製品は今なぜ受けているのか。
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2020.09.14売れすぎて受注停止 トヨタが読み違えたRAV4 PHVの快進撃トヨタの多目的スポーツ車(SUV)「RAV4 PHV」が、「年間の生産予定台数を超えた」との理由で、発売後約3週間で受注停止になった。過去にヒットの例がないプラグインハイブリッド車に、人々が殺到したのはなぜか。そこにはトヨタが読み切れなかった複合的な背景がありそうだ。
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2020.09.08フリーズドライ味噌汁を極める アマノフーズ、一人勝ちの理由直近6年間で、市場が4倍以上に急成長しているフリーズドライ味噌汁市場。そこで、トップシェアを走るのがアサヒグループ食品のフリーズドライ「アマノフーズ」だ。1983年の発売以来、過去最高売り上げを更新し続ける背景には、味へのあくなき追求があった。
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2020.09.01「愛の不時着」、笹塚に聖地巡礼組も コロナ禍大ヒットの秘密韓国の財閥令嬢と北朝鮮の将校の恋の行方を描いた韓流ドラマ「愛の不時着」。2020年2月にネットフリックスでオリジナル作品として配信がスタートすると、半年たった現在も人気ランキング上位を維持するロングヒットになった。コロナ禍で定額制インターネット動画配信サービス(SVOD)の利用者が軒並み増加する中、最も話題をさらったのがこの作品と言っていい。海外発の話題作がヒットした秘密に迫った。
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2020.08.31長梅雨でも売れる「アイスの実」「パピコ」 イメージ改革大作戦梅雨明けが関東甲信地方では8月までずれ込んだ今夏。アイス市場にとっては逆風が吹いた2020年5〜7月にかけて、江崎グリコの「アイスの実」と「パピコ」が前年比超えの売り上げを記録した。30年以上続く2つのロングセラーブランドは、なぜ飽きられることなく消費者に愛され続けるのか。同社の絶妙な販売戦略を追った。
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2020.08.27「伊右衛門」崖っぷちからの脱出劇 奏功した超大型リニューアルサントリーのペットボトル入り緑茶「伊右衛門」が2020年4月、起死回生の大型リニューアルを敢行し快進撃を続けている。成功の鍵は、お茶ならではの液色を採用したこと。実は伊右衛門の主力製品は、競合に押される形で売り上げが右肩下がりを続けていた。近年は「崖っぷちだった」と自覚するほどの低迷ぶりからの復活劇の裏側を追った。
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2020.08.26コロナ禍でハッカ油売れまくり 一吹きでマスクの不快感解消新型コロナウイルス感染拡大の影響で、意外なグッズに人気が集まっている。北見ハッカ通商(北海道北見市)の「ハッカ油」が、それだ。汗ばむ陽気が続き始めた2020年5月ごろ、マスクに吹きかければ冷涼感を与えてくれるとして話題になり、気温が上昇するとともに売り上げもぐんぐんと伸ばしている。
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2020.08.25軽SUV「タフト」が販売好調 ダイハツが見つけたある空白地帯2020年6月にダイハツ工業が発売した都市型多目的スポーツ車(SUV)の「タフト」が、1カ月で月販目標の4.5倍を受注する好スタートを切った。軽自動車市場は飽和状態にあり、SUVはスズキ「ハスラー」など既にヒット車種が多い激戦区。ダイハツは、その中に残されていたある“空白地帯”をうまく見つけ出した。
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2020.08.24新幹線に半額で乗れる JR東日本「激安切符」のインパクト旅行・交通業界の活性化を目的に始まった「GoToトラベルキャンペーン」とタイミングを合わせ、JR東日本やJR西日本が新幹線・特急列車に大幅割引価格で乗れる切符のネット予約を開始した。利用期間は2021年3月末までと長く、得するチャンスは多そうだ。
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2020.08.21「綾野剛のテレビ」ハイセンスが成長 ついにパナを抜く中国家電大手の海信集団(ハイセンス)が、日本国内テレビ市場で2020年5月に初めてシェアでパナソニックを抜いた。シャープ、ソニー、東芝に次ぐシェア4位の座を2カ月連続で確保するなど、着実に日本人消費者に受け入れられつつあるようだ。「海外ブランドは売れない」というテレビ市場のジンクスを破った同ブランドがなぜ人気なのか、その理由を追った。
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2020.08.18焼き立てパンをECで 「ロハコブレッド」コロナ禍で2倍成長オフィス用品のアスクルが手掛けるEC、「ロハコ」がさまざまなヒット商品を仕掛けている。コロナ禍でヒットしたのが、焼き立てのパンが届く「ロハコブレッド」。日常使いするパンを通販専用の商品にすることで意外なメリットがあったという。ECで日持ちのしない商品を届けられる仕組みを聞いた。
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2020.08.17社長のジンクス破ったスマホ専用「テプラ」 個人も熱烈ファンに「ラベルプリンター『テプラ』 Lite LR30」(以下、LR30)が2019年8月の発売以来、堅調に売り上げを伸ばしている。事務用品の製造・販売がメインだったキングジムが初めて手掛けたこの電子機器は、主にオフィス需要で成長。その後、女性をターゲットとしたモデルを複数展開し、パーソナル市場でも裾野を広げた。シリーズ初となるスマホ専用モデルLR30で熱烈な個人ファンの獲得にも成功し、そのブランド力をさらに強固なものにしている。
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2020.07.29関西でしか買えないフジッコ「発酵バター」 販売戦略ズバリ的中フジッコグループが新規事業として取り組む発酵バターのブランド「BUTTER ROUEN(バタールーアン)」が、その滑らかな口当たりや香りの豊かさから評判となり、ヒットの兆しを見せている。現在大丸心斎橋店に1店舗しかなく、価格も決して安くはないが、多い日には1日で500個も売れる。日本人にはなじみの薄かった発酵バターだが、欧州並みにメジャーになる起爆剤となるかもしれない。
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2020.07.20一見すごくないパナ電気圧力鍋 計画比5倍も売れたワケ共働き世帯を中心に支持され、ここ数年市場が拡大し続けている調理家電。中でも、圧力をかけることで加熱時間を短縮できる電気圧力鍋が好調だ。パナソニックは2019年7月、10年ぶりに電気圧力鍋をリニューアル。新モデル「SR−MP300」は、新型コロナ禍を受けた料理需要の増加を追い風に計画比5倍のペースで売れている。
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2020.07.16マイナポイントが早くも“熱い” PayPayは抽選で100万円上乗せ個人のマイナンバーカードにひも付けた決済サービスを使うと、25%の還元が得られる「マイナポイント」。2020年9月の制度スタートを前に、決済事業者による登録者の争奪戦が早くも始まっている。各事業者は⾃前で「上乗せ特典」も⽤意して、利用者の囲い込みを狙う
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2020.07.09宇宙ゴミスニーカーにみるナイキの千里眼 環境配慮が売れる条件米ナイキが2020年6月11日に国内発売したスニーカー「スペース ヒッピー」。発売して間もなく、ECサイト上には「完売」の文字が躍った。プラスチックのボトルやTシャツ、糸くずなどといった廃材を85%以上素材に使ったフライニット糸を採用するなど、今までにない高いレベルで環境へ配慮した点が消費者に支持された格好だ。売れるアパレル商品の条件を根底から覆した、象徴的な商品になるかもしれない。
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2020.07.07箱買い現象も 「富士山消しゴム」のヒットを生んだデザインの力一見、何の変哲もないただの四角い消しゴム。しかし使い込むうちに角が削れ、真っ白く冠雪した富士山の勇姿が現れてくる。ありそうでなかったアイデアを形にしたプラスの「エアイン富士山消しゴム」は発売前からSNSなどで大きな話題となった。富士山の開山日である2019年7月に限定発売されると、市場から“瞬間蒸発”。好調な売れ行きからその後定番化されるなど、人気が続いている。
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2020.07.03最大30%安く ソニー損保のAI自動車保険が画期的なワケソニー損害保険が2020年3月に販売開始した自動車保険の新商品「GOOD DRIVE」は、自動車保険でありながらモビリティーサービスの顔も併せ持つ。AI(人工知能)技術で運転を「見える化」し、安全運転の度合いにより実質保険料が最大30%安くなる点に特徴がある。事故リスクを減らせる効果も期待できるとあって、注目度を高めている。
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2020.06.25YOASOBIの「夜に駆ける」、なぜ人気? 若者の心を掴んだ舞台裏2019年12月にリリースされた音楽ユニット「YOASOBI」のファーストシングル「夜に駆ける」が、2020年6月になって「Billboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”」で3週連続の総合首位を獲得し話題を呼んでいる。小説を楽曲化するという斬新な制作スタイルや楽曲の良さがじわりと拡散。ここに来て一気に火が付いた。
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2020.06.17花王サクセスが3カ月で500万本 刷新成功に大当たり販売戦略30年以上の歴史を誇る花王の男性向けヘアケア用品「サクセス」が、2020年2月にブランドを刷新。「サクセス 薬用シャンプー」「サクセス リンス」の販売本数がが約3カ月で500万を突破し、好調な滑り出しを見せている。シャンプーで9年間トップシェアだった商品をなぜ今リニューアルしたのか。ヒットの秘密に迫る
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2020.06.16サントリーも採用 ビール泡に絵を印刷「泡アート」ブームの兆しビールやカフェラテなどの泡の上に絵などを描く“泡アート”が劇的に進化し、「映える」点に目を付けた敏感な消費者の間で泡アートをSNSに投稿する動きが広がっている。火付け役は、イスラエルのスタートアップ企業リップルズ。同社の専用マシンを使うと文字や写真を精細に、しかも全自動で泡の上に印刷できるとあって導入店を急速に増やしている。